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#90 文学研究科の魅力を市民に伝える〜大学院文学研究科 研究推進室による「地域とつながる北大文学研究科」と「北大人文学カフェ」のとりくみ〜

秋から冬へと季節が変わっていく中、企画展示「地域とつながる北大文学研究科」が、北大インフォメーションセンター「エルムの森」で行われています。今回は、大学院文学研究科 研究推進室 リサーチ・アドミニストレーターの森岡和子さんと中野悦子さんに、企画についてお話しをうかがいました。

(森岡和子さん)
企画展示「地域とつながる北大文学研究科」

文学研究科には、机に向かって文献研究をしているイメージがあるかもしれません。しかし、実際には多くの研究者が、地域に足を運び、住民や自治体と協働しながら文化活動の活性化や地域の課題解決に貢献しています。森岡さんは、多くの人に北大文学研究科の多彩な研究内容を知ってもらいたいと考え「地域とつながる北大文学研究科」を企画しました。企画展示では、九つのテーマと12人の研究者が取り上げられています。

(様々なテーマの企画展示)

以下、それぞれの展示について紹介します。

「地域の芸術を支え育む」と題して、札幌国際芸術祭(2014年)や札幌500m美術館に関わりが深い、北村 清彦さん(芸術学講座 教授)の研究活動が紹介されています。北村さんは、北大が所蔵する美術作品の悉皆調査を行い、2014年度には北大総合博物館で「美術の北大展」を開催しています。

「地域に眠る史料の解読と整理」は、白木沢 旭児さん(日本史学講座 教授)が置戸町で行った社会教育関係文書の整理・目録作成の取り組みと、谷本 晃久さん(同講座 准教授)が、豊頃町に残る約10万点の君尹彦氏文書の半分をまとめた「君尹彦氏文書目録」についての展示です。

考古学者の小杉 康さん(北方文化論講座 教授)は有珠6遺跡、小幌洞窟遺跡他を研究フィールドにしています。これらの遺跡を自然・歴史・産業・民俗についての遺産である「サテライト」として認識・研究・整備・保護していく活動は「遺跡の発掘と縄文エコミュージアム」に概要が示されています。

(遺跡の発掘と縄文エコミュージアムの展示)

博物館経営学を専門にする佐々木 亨さん(北方文化論講座 教授)の研究成果は「公立ミュージアムを評価する」として展示されています。公立ミュージアムの価値は税金を投入している地域社会やコミュニティの視点からも測る必要があることに気づかされます。

大沼 進さん(行動システム科学講座 准教授)は、社会心理学の立場から「廃棄物・エネルギー問題と向き合う」ことを研究しています。旭川市の調査では、内発的動機づけ(楽しさ・面白さ)が、市民の省エネの取り組みに影響を与えていることが明らかになりました。

今井 順さん(社会システム科学講座 准教授)は、札幌市の企業と労働者を対象に、働き方についての調査を実施し、社会学的に分析しました。結果は「札幌市のワーク・ライフ・バランス調査」として展示され、報告書を閲覧できます。

「地域とつながり協働して解決する」では、宮内 泰介さん(地域システム科学講座 教授)と笹岡 正俊さん(同講座 准教授)が鶴居村で行った、観光や酪農、行政関係者からの聞き取り調査などが紹介されています。

大分市と、地元自治会、NPO法人が、池田 透さん(地域システム科学講座 教授)と協働で行ったアライグマの防除の取り組みと、立澤 史郎さん(同講座 助教)が、釧路湿原ほかで実施した、地域住民による野生動物調査と対策立案の試みについては、「外来生物の防除」で知ることができます。

(展示を解説する森岡さん)

橋本 雄一さん(地域システム科学講座 教授)による、地理情報システム(GIS)を活用した釧路市の津波ハザードマップの作成とその成果は、「積雪寒冷地の防災・減災に取り組む」に示されています。

個々の研究者の取り組みとは別に、「北大人文学カフェ」という文学研究科全体の取り組みもあります。2009年から始まった人文学カフェは、研究者と飲物を片手に気軽に語り合うイベントです。展示では、これまでのカフェのチラシや資料を見ることができます。

(北大人文学カフェのチラシ)
北大人文学カフェ

中野さんは、次回開催予定の北大人文学カフェ「インド思想にハマった !!」の聞き手を務めます。現在は話し手の細田 典明さん(宗教学インド哲学講座 教授)との打ち合わせで忙しい時間を過ごしています。中野さんは、文学研究科の先生方が行っている研究の魅力を、みなさんにわかりやすく説明することで、自然とその研究に興味をもって好きになってくれる人が増えれば嬉しいです、と語ってくれました。これからも魅力的な研究の数々を紹介してくれると思います。

(中野悦子さんと次回のカフェのポスター)

最後にお二人は「研究推進室は文学研究科の研究のエンジン。北海道の地の利を生かして、研究を支えて、回して、加速していきたい」とその抱負を語ってくれました。

是非「地域とつながる北大文学研究科」と「北大人文学カフェ」に足を運んでみてください。

関連リンク

  • 「地域とつながる北大文学研究科」について:
    http://www.let.hokudai.ac.jp/event/2015/09/9376
  • 北大人文学カフェの詳細について:
    http://www.let.hokudai.ac.jp/event/eventcat/cafe/

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2015.10.28

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