(CONE Leatherの商品)
夏の綺麗な日差しが注ぐ7月9日、北海道大学の遠友学舎で皮革のキーリングを制作するワークショップが開催されました。
畜産研究が盛んな北海道大学ではかつで動物の皮革に関する研究が行われていました。以前、いいね!Hokudaiでは皮革実習工場を訪ね、その趣のある雰囲気をお伝えしました。今回のワークショップは北海道大学サマーインスティテュートの授業「研究者とクリエイター:森を考える / 皮革」にて開催したものです。この授業は皮革を中心にして動物と人間との関わりを多角的な視点で見つめます。
(皮革分類ワーク用の皮革サンプル。鞣し方、動物、より自然に優しいかどうかの度合いを基準に分類をしてみました)
(説明しているリ・ジヨンさん)
ワークショップでは人類学や生態学の研究者や、鞣し職人、皮革のクリエイターに取材した内容をもとに話を深めました。その上でものづくりパートでは、幅広い分野で活躍しているデザイナーのナム・ミヘさんを韓国からお招きし、ものづくりに対する姿勢や価値観に関するお話をしていただきました。加えて、韓国でCONE Leatherを運営しているリ・ジヨンさんに、皮革の見方や制作現場の話、メーカーとして皮革を扱うことに関する考え方もうかがいました。その上で、皮革のサンプルを使って、動物の皮を分類するワークを行い、そのあと自分だけの皮革キーリングを制作しました。
(さまざまな長さ、太さの皮革パーツと、様々な大きさのリングを組み合わせながら考えます)
キーリングに必要な部品は、リングと皮革、それに留め具です。シンプルな形ですが、組み合わせによってずいぶんと表情が変わります。より長く使えるように切り目をコーティングしたり、より使い勝手がよくなるように工夫を施しながら、学生たちは初めての皮革によるものづくりを楽しんでいました。
(切り目加工。側面の塗料は4色の中で選べるようにしました)
ワークショップ後半では完成したキーリングを紹介しながら、どのような思いで制作したのかを発表しました。限られた材料で作ったにも関わらず、キーリングは個性豊かで、用途やターゲットが明確になっていました。さまざまな文化的背景をもつ学生たちが集まるサマーインスティテュートならではの特徴が発揮された瞬間でした。
授業後、学生たちは皮革を見る目が変わったと感想を残してくれました。ものの見方が豊かになることは、ものに関わる人々の物語が見えてくることにつながりますね。