北大キャンパスには大学生協(北海道大学生活協同組合)が営業する食堂が8店舗あります。札幌キャンパスにはクラーク食堂、農学部食堂、理学部横の 中央食堂(1階と2階)、医学部食堂、工学部食堂、北部食堂(北18条にある旧教養食堂)、レストランポプラ(北21条創成研究機構内)、そして函館キャ ンパスの水産食堂がそれにあたります。
中でも1,100席と学生食堂として日本一の座席数を誇るのが「北部食堂」。1年生を中心に多くの学部生が利用しています。藤澤尚巳さん(北部食堂店長)に案内してもらいました。
北部食堂の概要を教えてください
昔は教養食堂と呼ばれていましたが、2000年代に入って北部食堂と名称が変わりました。本格的な営業が始まったのは昭和40年代だと聞いています。徐々に 床面積、座席数とも拡大し、3年前には大規模なリフォームを施し、座席数が日本一の学生食堂となりました。一日の利用者は平均で3,300人、新学期には 約4,500人が訪れます。また、時間帯別では、昼食時(12:00〜13:00)に約1,000人の学生さんたちで賑わいます。利用者のみなさんの動きが激しいダイナミックな食堂です。
この食堂を切り盛りしているのが、65人のパートスタッフと学生さん(バイト)です。いわゆる職人はいませんが、主婦をしているパートのみなさんに多くを支えてもらっています。
メニューはどのようにして決めるのですか
北大生協は、東京以北の大学生協が加盟している大きな団体に所属しています。この団体が共同でメニューを開発し、業者から食材を調達することで効率化を目指しています。一年を通して提供する「定番メニュー」の他に、季節限定メニュー、ご当地メニューなど企画商品にも力を入れています。これらのメニューの試作会には現役の学生さんにも参加してもらい、味、ボリューム、価格、見た目などを決めます。ですから東日本・北海道地区の学食では、ほぼ同じメニューが並びますが、理学部の隣の中央食堂のように北大限定オリジナルメニュー「スープカレー」などを提供する店舗もあります。
店長として心がけていることを教えてください
私の仕事は現場の管理です。従業員のみなさんに気持ちよく働いてもらうために、特に気を遣っていますね。また大学生協は学生さんをはじめ、組合員のみなさんによって支えられています。学生さんの声を大切にしながら新しい企画を考えようと心がけています。
さらに親元を離れて生活している学生さんの健康管理も、私たちの役割です。年間パスポート「ミールカード」という、1年間、1日、1,000円まで食堂を自由に利用できるシステムがあります。財布の中身を気にせずに、しっかりと食事を摂ることができますから、親御さんにも好評です。また利用したメニュー の履歴を毎月親御さんに届けることで、お子さんの健康管理にも役立てていただいています。