令和4年度の北大の新入生は2,545名。その新入生を迎える入学式が、本日(2022年4月6日)、札幌コンベンションセンターにて行なわれました。昨年度と同じく、新型コロナウイルス感染症の対策として、午前と午後の二回に分けて入学式が行われました。
寶金清博総長からの告辞では現在私たちが直面している三つの危機があげられました。新型コロナウイルス感染症、ウクライナでの戦火、地球温暖化などの気候変動による世界規模での問題です。寶金総長は、これら三つの問題のいずれにも人間の活動が大きく関わっていると述べます。そのうえで、「都ぞ弥生」にある「人の世の清き国ぞと憧れぬ」という一節を引き合いに出し、先人から受け継いだ「高邁な人道主義の精神」を志すことを新入生に説きました。
また、「北大からのダイバーシティ&インクルージョンメッセージ」と題して、多様性を積極的に受け入れる北大の姿勢について、黒岩麻里さん(理学研究院 生物科学部門 教授)がお話ししました。黒岩さんは、自身の専門とする分子細胞遺伝学の観点から、固定的ではない柔軟な性の見方について新入生に語りました。「皆さんは多様性(ダイバーシティ)をつくる大切な一人です。自分のちがいにプライドをもち、他者のちがいを尊重できるようになってください。固定観念を捨てて、自らのもつアンコンシャス・バイアス(無意識の偏り)を見て取れるようになってください。」このように黒岩さんは述べました。
入学式終了後に、新入生にもお話しを聞きました。
上の写真の三人は、北海道、東京、富山と出身がばらばら。「昨日の学部別のオリエンテーションがあって、教育学部のガイダンスで知り合いました」とのことです。コロナ禍での高校生活の様子、そして、北大生活に期待することを伺いました。
櫻井美弥さん(写真左)「コロナが始まった時に、まず、三か月の休校になりました。最初の休校の時ははじめてで、何もかも手探りだったので、モチベーションを保つのがたいへんでした。昨年の夏の終わりごろにまた休校になったのですが、その時は、オンライン授業をうまく活用できるようになりましたね。あと、合唱部だったのですが、合唱は本当にコロナの影響を受けやすくて、大会やイベントが中止になったり、また練習にも制限が出てきてたいへんでした。」
山寺柊さん(写真右)「わたしは高校が四か月くらい休校になって、勉強は自分でやったり、高校のオンライン授業もあったので、それでなんとか勉強は乗り切ることができました。でも部活は目指していた陸上のインターハイが中止になってしまいました…。今年から対面での授業をやっていくと入学式で述べられていたので、対面で友だちや先生と話し合って、いろんな観点を身につけたいとおもいます。」
山田璃奈さん(写真中心)「私も一番楽しみにしているのが授業です! 浪人生活のときに、対面での授業のすばらしさを感じる機会がありました。今年は対面の授業を受けられると期待しているので、先生方の講義がとても楽しみです。」
他の新入生からも授業を楽しみにしているという声がたくさんあがっていました。先生方はこの高まる期待に応えられるように努めねばなりませんね。新入生の皆さん、入学おめでとうございます!
北大の「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」については以下の記事を参考にしてください。
また、多様性をめぐる黒岩さんのお話しについてはこちらの記事も参考になります。