今年は卯年!ウサギといえば、北海道にはエゾユキウサギという、寒い時期でも活動する足の長い野ウサギがいることをご存知でしょうか?野山ではよく見かけることがあるそうですが、果たして北大札幌キャンパスにはいるのでしょうか?この時期キャンパスは常に積雪がある状態。エゾユキウサギの足跡を探してみました。
そもそも、ぴょんぴょん跳ねる小さな動物の足跡はどのような形になるものなのでしょうか?足跡は、前脚と後脚の動きを分けて考えると分かりやすいです。ウサギの動きを大きく3つに分けて、①前脚で地面を踏み、②後脚で踏み込んで、③跳躍すると考えると(イラスト参照)、前脚が作る短めの2つの足跡と後脚が作る長めの2つの足跡がつくだろうと想像できます。
長さが異なる4本の印をイメージし、札幌キャンパス内を歩いてみました。すると、そのような足跡がたくさんあるではありませんか!
しかし残念、これらはエゾユキウサギの足跡ではなさそうです。ぴょんぴょん跳ねる小さな生き物で札幌キャンパスでよく見かける動物がいました。エゾリスです。
同じ跳ねる動きをするとエゾリスとエゾユキウサギ。どうやって足跡を見分ければ良いのでしょうか?まず、大きさが違います。エゾユキウサギはエゾリスより二周りぐらい大きいので、足跡もその分大きくなります。そして面白いことに、エゾユキウサギは前脚を縦に揃えてバラバラに踏み込むことが多いことに対し、エゾリスは横に揃えて同時に踏み込むことが多いようです。結果、前脚の足跡に違いが出ます(イラスト参照)。
結局、少なくとも半日キャンパスを歩いた程度では、エゾユキウサギの足跡は全く見つかりませんでした。しかし、エゾリスの足跡以外にもいろいろな動物による足跡らしきものを見かけました。大学が実施している「キャンパス生態環境調査」によると、エゾリス以外にアカネズミ、エゾヤチネズミ、キタキツネが札幌キャンパス内に生息しているそうです。エゾユキウサギの記録はやはりありませんでした…残念!
エゾユキウサギはスキー場などでも見かけることが多いそうです。もし機会があれば、その可愛い足跡を探してみては如何でしょうか?
注・参考文献:
- 川道武男1994:『ウサギがはねてきた道』紀伊國屋書店.
- 北海道大学:『キャンパス生態環境調査(2009〜2014)』https://www.facility.hokudai.ac.jp/campus/,(2023年1月12日閲覧).