12月6日にお伝えした、札幌に出張していた北海道和種馬(どさんこ)の近況をお知らせしよう。馬たちはその翌日にFSC静内研究牧場に帰っていった。牧場のスタッフに聞くところによると、ウシたちは牛舎に集められ、せっせと干し草を食んで越冬体制に入ったが、多少の雪などものともしないどさんこたちは放牧されている、とのことで早速会いに行ってきた。
馬たちがいるのは牧場の一番山奥。元々悪路のうえ積雪が重なり、通常の車ではたどり着けない。しかたなく徒歩で向かう。「これでは静内研究“牧場”ではなく静内研究“林”ではないか」とぼやきたくなるような山林は見通しもきかない。馬たちは呼んでも来てくれるわけでもなく、15cmほど積もった新雪に残る馬たちの足跡を頼りに登っていくが、ガラスの膝、ロコモの脚には少々堪える。
積雪斜面を数百メートル歩いた先に、どさんこたちは突然現れた。警戒しているのか歓迎しているのか、斜面の中腹に横一線に並ぶその姿は圧巻で、西部劇の1シーンでも見てるかのようであった。とはいえ、しばらくすると各々ササを食べたり寝転んだりと、いつものどさんこの姿に戻ったようだった。
2月の厳冬期を過ぎれば春はもうすぐそこ。みんな元気に冬を乗り切って、また札幌にササを食べに来ておくれ。待ってるよ。どさんこたちの本社、FSC静内研究牧場のFSCとはField Science Center for Northern Biosphere, Hokkaido University、北方生物圏フィールド科学センターの略称である。
【林忠⼀・北⽅⽣物圏フィールド科学センター/いいね!Hokudai特派員】