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暑い夏、優雅なイカの群舞は如何[FSC的フィールド風景No.16]

フィールドが最大の魅力であるFSC北方生物圏フィールド科学センターにあって、フィールドどころか自前の施設すら持たない唯一の組織が生態系変動解析分野だ。間借りしているのは函館港の函館市国際水産・海洋総合研究センター。うしお丸が停泊している岸壁に面して建っている。

ここで開催された函館マリンフェスティバルでの企画、水中ドローン(ROV)体験操縦を今回はご報告する。体験操縦は、幅約10m、奥行き5m、深さ6m、容量約300トンの水槽でおこなわれた。ただ水中ドローンを操縦するのではなく、水槽に放した約100匹のイカを、水中ドローンのカメラを通して観察しようというものだ。会場には水中ドローンの映像を映し出す大型モニターもある。こんな函館ならではの楽しそうな体験は滅多にできるものではない。案の定人気が高く、スタッフは初日から休憩なしでぶっ通しで対応したほどだ。

それにしても優雅に泳ぐイカの群舞は何とも美しい。時々墨を出すだけでなく、水中ドローンが近づくと興奮したイカが、体色を白色半透明から赤茶色に瞬時に変える様子は、まさに生命の神秘だ。体験したお子さんはもとより、親御さんも一緒になって楽しまれている様子は微笑ましく、こうした体験を提供することも大学のひとつの使命と感じた。

イカ刺しで一杯やりながらずっと眺めていたい気持ちになったが、スタッフはのんびりしていられない。この企画は、FSCの南憲吏准教授のグループが企画し、所属学生3人が、参加者への操縦指導の担当、水槽の上に待機してのトラブル対応などの担当に分かれて対応した。水中ドローンに絡みついたイカを外したり、底に沈んだ死んだイカを網で回収したり…。水槽の水深はおよそ3階建て相当もあり、底に沈んだイカを網ですくうのは一苦労なようで、見ていて応援したい気分になった。

水中ドローンをはじめとした、バイオロギングや音波探査などの水中の生き物の動態を可視化する技術は、水産業や水棲動物調査になくてはならない。自前のフィールドを持たずとも、要望があればどこの水中でも行って調査研究する。そんな世界中をフィールドとする生態系変動解析分野の所属するFSCとはField Science Center for Northern Biosphere, Hokkaido University、北方生物圏フィールド科学センターの略称である。

【林忠⼀・北⽅⽣物圏フィールド科学センター/いいね!Hokudai特派員】

 

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2023.07.26

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