ここは道南、大沼。秀峰駒ヶ岳を背景にした風光明媚な湖であり、道内有数の観光地である。この大沼での研究を紹介しよう。
大羽智之さん(環境科学院 生物圏科学専攻 水圏生物学コース 修士2年)は、近年アオコの大量発生が問題となっている大沼で、アオコの月ごとの分布の変動を調べている。アオコの発生は景観を損ねるだけでなく、悪臭やワカサギなどの水産物の酸欠による大量死につながる。この調査では音響探査技術、いわゆる「魚探」を使って、アオコの分布変動の要因を明らかにすることを目的としている。
さて、撮影は紅葉も終わりかけの穏やかな湖上。時折通る観光遊覧船の波に揺られるのも心地よく、大羽さんは毎月湖上でさぞや楽しいかと思いきや、さにあらず。夏の炎天下では日陰もなくジリジリ焼かれ、機器類の熱暴走におびえたり、寒風吹きすさぶ春先や晩秋は指先がかじかみ体の芯まで冷えるなど、やはりフィールド調査は大変とのことであった。
そんな良い時もあれば大変な時もあるフィールドが相手のFSCとはField Science Center for Northern Biosphere, Hokkaido University、北方生物圏フィールド科学センターの略称である。
【林忠⼀・北⽅⽣物圏フィールド科学センター/いいね!Hokudai特派員】