冬の澄んだ空気のせいか、落葉した木枝のシルエットがよりくっきりと見えるようになりました。ボーッと木々のシルエットを眺めながら歩いていると、北大工学部前にて不思議な影を目にしました。大木の先細りしていく枝々のシルエットに、何やらまん丸の塊(かたまり)がくっ付いています。鳥の巣?いいえ、宿木(ヤドリギ)です。
ヤドリギは樹木の枝や幹に球体となって寄生する植物です。その生命力の高さから、欧米では「永遠」を象徴し、魔除けや幸運を呼ぶ木としてクリスマスシーズンに玄関や窓際に飾りとして使われるそうです。
何やらご利益がありそう!ということで、他の木にもヤドリギがないかメインストリートをこのまま進んでいきました。
しばらく歩いていくと、ありました!教育学部前の大木の上、モコモコと幹と枝の間にくっ付いています。
そしてその向かいの総合博物館前の木の中腹にも、球状になりかけのヤドリギが数ヶ所ありました。
ヤドリギは何故こんな高いところに寄生することが出来たのでしょうか?それにはヤドリギを食べる小鳥が関わっているようです。ヤドリギの実は鳥に食べられても種の部分は消化されず、フンとして排出されます。ヤドリギを食べた鳥が高い枝にとまってフンをし、そのフンがうまく木の幹や枝にくっつくとヤドリギの寄生が始まるという仕組みです。
これから積雪が始まり、そのうちこのヤドリギにも白い雪が降り積もるでしょう。ちょっと見つけ辛くはなりそうですが、上を見上げてまん丸シルエットを探してみて下さい。見つけられると、幸運が訪れるかも!?