今年の第63回七大戦は北大が20年ぶりに総合優勝をしました。私たち学部1年生からなる取材班は、それに先立つ6月に第112代北大応援団を取材し、昨日掲載した前編では応援団の概要や強み、伝統についてお伝えしました。今日の後編では団員個人の話や、今後の展望について深掘りしていきます!
【佐々木柚葉・村田尋・渡邉寿哉/総合理系 田中隆世/法学部 中條塔真/経済学部 澤田和奏/総合文系】
皆さん個人の話を伺いたいのですが、応援団に入ったきっかけは何でしょうか?
園木: 僕はもともと北大応援団を知ってて、恵迪寮も知ってて、北大を目指した理由の一個にそれがありました。僕は本当はもうちょっと、北大より頭がよかった(笑)。でも北大にとにかく行きたかった。応援団に入った決め手は、入った恵迪寮で同じ部屋だった2年上の人が応援団だったのと、あとやっぱり当時の団長が小野寺さんという伝説の団長でめっちゃかっこよかったから入りました。
自分の価値観の中のかっこいいが北大応援団。多分遺伝的なものだと思います。僕の兄貴も早稲田大学の応援団だもんね。九州男児のお父さんが髭とか生えてるダンディーな男らしい人だったっていうのもでかいと思います。
新入団員の方にも応援団に入ったきっかけをお聞きしたいです。
大島: 僕は野球の観戦が好きで、巨人ファンなんですけど、親父がよく東京ドームに連れてってくれて、みんなと応援したり、応援歌歌ったりが好きっていうのがあって、そこから応援が楽しいなっていうのはありました。でも、全然応援団に入ろうとかで北大に来たわけでもないですし、北大への進学が決まって母親に「俺の住むところ決まったの?」って聞いたら、「あんた寮に入るからもういいよ」って言われて「寮に入るんだ。どこの寮?」って聞いたら「恵迪寮」って(笑)。子供の時に応援が身近にあって、いざ恵迪寮に入ってみると応援団の方がいっぱいいらっしゃったり、入学式でも団旗長が旗を揚げるシーンがあって、めちゃめちゃ重たい旗を顔色変えずに揚げるのを見て、すごい度胸と筋力と根性がいるんだなと思って。それを見て「応援団すげぇな。こんなに心を揺さぶられたのは初めてだ」って。でも最初、僕の人間性として良く言えば慎重に動くし、悪く言えば優柔不断っていうのがあって、入っていいのかどうしたらいいんだろうっていうのがあったんですけど、ノリと勢いで入るぞって、で今こんな感じです。
鳩貝: 僕は、当時寮に入ったときに同じ部屋にいた先輩に、横溝さんともう一人剣道部の方がいて、横溝さんとその剣道部の方に、「応援団いいよ!」みたいな感じで言ってもらって。その後、飲み屋に連れてってもらった時に、横溝さんに楽しそうな写真を見せてもらって、いろんなとこ行けるし良いなと思ってそこで決めました。
実はもともと応援団ではなく鳥人間に入ろうと思ってました。テレビでやってる鳥人間コンテストに北大が久しぶりに出るのを見て「あ、いいな」と思って入ろうとした時に、応援団に誘ってもらって入ったって感じです。
劉さんは2年生になってからの入団ですが、何がきっかけだったのでしょうか。
劉: 2年前、ちょうど受験生の時に北海道のテレビ局のYouTubeで北大と小樽商科大学の対面式のニュース動画をたまたま見て、すごい感銘を受けました。見た目というか風格というか、すごいしっくりくるなと思って、そこで北大応援団を知ったのが1回目です。入学した後は、応援吹奏団に入って楽器を吹いていたんですけど、そこで応援団を身近で見て一緒に応援をやって、今まで変なものだなっていうような違和感がだんだん1年間かけて好きになれた。応援団の応援の仕方の方が、自分にはしっくりくるなっていうのがあって、それが2回目、今年の春で入団を決めました。
応援団に入って良かったことって何かありますか。
園木: 僕が一番よかったのは、やっぱ知り合いがたくさんできたことですね。それが一番嬉しい。応援に行っていろんな人と知り合いになって、こういう取材の機会もありますし、あと社会人の方とかと仲良くなる機会もあるし、あと大学の事務の方とかとも仲良くなる機会もあるし、北大祭事務局と仲良くなる機会もある。それで積み重ねてきたものが最後結実してこの前の「一万人の都ぞ弥生」にたくさん来てくれた、みたいなのがやっぱり一番僕は嬉しいかなって。
新入団の皆さんも応援団に入って良かったと思うことはありますか。
大島: 入ってまだ一ヶ月半ぐらいですけど、人間性が直されたっていうか、昔よりは良くなったと思ってます。自分は結構弱音吐くし、「これで大丈夫なのか」「これができるのか」「期待してくれてる分、失望させてしまうじゃないか」って考えてしまうところが結構あって。でも笹岡さんに「応援団でも弱音を吐いてしまう時もある。それは別にいい。でも応援団員としてそれを見せるな。相手に見せることはするな」って言われて。やっぱり応援団が応援してる時に、「この試合本当に勝てんのかよ」なんて言ったら応援される側も嫌じゃないですか。試合がひどい状況であっても、前を向いて応援し続ける上の方々の姿勢を、応援の中で見る一ヵ月半だったなと思います。
自分の日常生活の中でも、これは人として、応援団員として恥ずかしくないかっていうのは考えるようにしてます。そういうふうに考えることができるようになったっていうのが応援団に入って良かったことかなって思います。
鳩貝: 言葉遣いとか、礼儀の部分で結構教えてもらう機会が多くなってます。そういう意味で学ぶものが大きかったなと。あと「一万人の都ぞ弥生」の次の月曜日2限に体育学Aがあったんですけど、その先生が僕のこと覚えていらっしゃって、「かっこよかったよ」って言われたのが結構嬉しかったです。
劉: 僕中高も部活は空手をやってたんですけど、部活も普段の生活でも夢中になれるものがなかったっていうのがありました。だけど応援団は、入ってからすごく好きになって。空手部だった頃は、空手について自分で調べるなんてことはなかったんですけど、応援団に入ってからは応援団について調べたりしていて、好きなものを見つけられたっていうのがあります。
今後の課題と展望は何でしょうか?
園木: やっぱり個々人レベルでの応援団に対する意識の高さはどんどん高めていけたらもっとよりよいものになるな、というのはありますね。俺は今文学部4年生で授業もないので考えてることはほぼ応援団で、横溝も応援団に全力投球するために休学してるんですよ。それくらい応援団に集中するのを全団員ができるといいかなってのはやっぱり思います。あ、別に休学しろと言ってるんじゃなくて、応援団に自分が所属してる自覚を1年生は持ってもらえたらもっと良くなるかなって。
笹岡: やっぱりより良い応援を常に模索するのは大事だなと思います。盛り上げ方の上限や完璧っていうのはありませんけども、常に完璧を目指すような応援を模索していくのはやはり全体の目標でもあると思います。
園木: さっきも出てた話ですけど、北大を盛り上げるっていうのが、僕らの一番の軸なんですね。その中に応援があるんですけど、応援とは別に、僕らがもっとやっていかなきゃいけないのは、北大の文化の継承だったり、「都ぞ弥生」やいろんな寮歌や校歌をもっと北大生みんなに普及していったり、もっと北大生に北大のことをもっと好きになってもらうことだと思っていますね。
では、これから達成したいことや目標はありますか?
園木: この第112代が始まった時に言った今年の目標は、さっき横溝が言ったように、北大生や札幌をもっと盛り上がりの源泉にしたいってのがやっぱ一番大きい。大学4年間って短いじゃないですか。だからコロナで3年間潰れると、応援団のことを知ってる部活生も一般の学生も、ごっそり抜けちゃうんですよね。応援団のことを知らないとか、交流があまりないっていう層が今3、4年生をやってたりする。そういう人達に対してのアプローチとか、もっと仲良くしたりっていうのが課題。
あとやっぱり北大の応援団として、小樽商科大の応援団だったり、他の大学の応援団、旧帝の応援団には絶対に負けないのは一番念頭に置いてますね。とにかくどの応援団よりも弱気は見せずに気合入れて、少しの隙も見せない! 圧倒的勝利、圧倒的勝利感。具体的には七大戦優勝です。
最後に、新入団員に期待することを教えてください。
園木: もう本当に自由にやってほしいです。何しろとかっていうのはないんで、「俺たちは好きにしたので、君たちも好きにしてください」っていう感じです。そこが北大応援団のいいところかなと思います。もちろん伝統を大事にするのもあるけど一代一代レベルの伝統、前の先輩がそうだからこうしないといけないっていうレベルの伝統がないので、そこはもう自由にやってほしいなと思います。僕は伝統とかが大事で守ってきたけど、それが彼らも同じかと言われれば、彼らが考えることなんで、彼らが自由にやるってのがプラスの方向に働くようにしてほしいなと思います。活動を縮小しないで、どんどん拡大させる方向で自由にやってほしいです。
みなさん、楽しんでいただけましたでしょうか?
古き歴史を誇る応援団。様々な活動の中心となって北大を盛り上げてきた応援団魂と応援団に対する個々の熱い思い、とても格好いいですね。応援団についてよく知らなかったという方も、もともとよく知っているという方も、是非様々なイベントで応援団と一緒に北大を盛り上げていきましょう!