【山﨑裕子│2026年度CoSTEP受講生】
2026年6月7日、北大祭最終日。
普段、1年生が勉学に励む総合教育棟には、入口に大きな旗がかけられ、中では多数の学生団体の企画展示が行われていました。
参加者の楽しそうな声や学生たちの呼び込み、さまざまな足音が行き交います。
お祭り特有の熱気をまとうにぎやかな廊下を抜け、N245教室の扉をくぐる。
そこには——骨がいた

ここは、北海道大学鯨類研究会札幌支部(略称は鯨研)の「見て聞いて触って知る海棲哺乳類」。
中では展示を楽しむ参加者に向けて、鯨研のメンバーがいきいきと解説をしていました。

ぐるりと見渡すと、世界最小のイルカであるバキータ(コガシラネズミイルカ)やラッコの重さを体験できる展示や実物大イラストとの背比べ、クイズなど、教室いっぱいに子どもから大人まで楽しめる展示が広がっていました。

今回、お話をしていただいたのは、代表の鮎川知佳さんと副代表の吉江亘生さん(共に水産学部海洋生物科学科の2年生)です。

鯨研は、函館と札幌の2つの活動拠点を持つ学生団体です。
水産学部の学生は3年次以降、函館キャンパスで学ぶため、札幌支部から函館本部の活動に加わることもあるそうです。
顧問は、鯨類がご専門の松石隆さん(北海道大学大学院 水産科学研究院 教授)。
ホームページでは、例会(勉強会)、津軽海峡鯨類目視調査、ストランディング(クジラなどの海の哺乳類が海岸へ打ち上げられること)調査など、充実した活動内容が紹介されています。
札幌支部では、その年の参加人数に合わせて例会の頻度を調整しており、今年は前期に週1回、後期に週2回実施しているとのことでした。加えて、月1〜2回ほど不定期に遠征も行われているそうです。
この団体には、水産学部だけでなく、理学部、獣医学部、経済学部、教育学部、文学院、さらには、東海大学や酪農学園大学など他大学の学生も参加することがあるそう。
そのため、例会の発表はクジラの生態だけでなく、クジラと関わるいきもの、ラッコなどの海の哺乳類、さらにはクジラがモチーフのポケモンやお酒まで……クジラや海のいきものを多角的に見た、多種多様な発表が行われるとのことでした。
吉江さんに、なぜ鯨研に入ったのか聞いてみました。
「クジラ単体というより、いきものの体のつくりに興味があるんです」
吉江さんは、受験生の頃に北大を調べる中で、ストランディングしたクジラを煮込んで標本にする作業の記録を見て、やってみたいと思い、鯨研に入ったそうです。
骨格標本を見るときにも、ヒトと似ているつくり、異なるつくりを比較して見ると面白いと語ってくれました。
鮎川さんは、骨格標本づくりについて、目を輝かせながら話をしてくれました。
現場で回収したサンプルを、お湯で煮込んで徐肉し、残った骨を並べて……軟骨が溶けてしまう難しさもありつつ、作り上げるそうです。
鮎川さんによると、これは水産学部に入ってもできない、鯨研ならではの活動だということでした。
最後に、吉江さんに北大を目指す受験生へ一言いただきました。
「受験勉強よりも、好きないきものの勉強は楽しいです。その楽しい勉強をするために、今は勉強を頑張ってね!」
北海道の海のいきものが好きな学生が集まる場所。
それが「北海道大学鯨類研究会」でした。
今、波に乗っている「北海道大学鯨類研究会」そして「北海道大学鯨類研究会札幌支部」——海のいきものへの「好き」が集まるその活動は、これからも広がっていきそうです。
今回、取材した北海道大学鯨類研究会の活動と活躍については、以下のウェブページからもご覧いただけます。
参考文献URL
- 北海道大学鯨類研究会,https://sites.google.com/view/hokudaigeiken/,最終閲覧:2026年6月10日
- 北海道大学鯨類研究会札幌支部,https://sites.google.com/view/cetology-club-sapporo/ ,最終閲覧:2026年6月10日
- TBSNEWSDIG,なぜ函館に?本来はいないはずの「スナメリ」を北海道で初確認 波に乗って楽しそうに泳ぐ姿に北大研究員も驚き みつけても「遠くから見守って」と呼びかけ,https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2686126 ,最終閲覧:2026年6月10日