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#81 水がまわれば暮らしもまわる~開発途上国の貧困をトイレから解決~

「あなたの家にはトイレがありますか?」突然こんな質問をされたら驚きますよね。日本に住んでいる方なら、もちろん「イエス」と答えることでしょう。しかし、世界にはまだトイレが普及していない国が多くあります。水処理研究が専門の船水尚行さん(工学研究院教授)は、アフリカのブルキナファソで「暮らしも回るトイレの仕組み」を研究中です。

(船水尚行さん)
 

上下水道が完備している日本のトイレ普及率は100%です。一方、船水さんが研究中のアフリカのブルキナファソでのトイレ普及率は、わずか19%です。そしてこの国の5歳以下の死亡率は、9.8%。日本の0.3%と比べると、かなり高い割合です。その死亡原因は、肺炎、マラリア、下痢といった水環境の悪さにあります。しかし、日本のように上下水道を整備するには、コストがかかります。「水道と、し尿処理は同時にするのが原則」と話す船水先生ですが、この国は、世界で下から2番目という貧困国でもあり、人々はトイレの整備に意識を向けられないのが現状です。

(図1 北海道大学工学研究院教授 船水尚行 提供)

収入が低い⇒栄養不足⇒不健康⇒農業生産低下が負のスパイラルを招いているので、船水さんは「収入を得る方法を同時に考えれば良いのでは」と考えました。

水汲み、炊事、洗濯、畑仕事、子育ては女性が担っています。そこで船水さんは次のようなビジネスモデルを考えました。

(図2 北海道大学工学研究院教授 船水尚行 提供)

トイレを持たない現地の人たちは、水浴び場で尿をします。その水を集めてろ過し、畑の肥料として使います。糞便もコンポストトイレで微生物分解させて、土壌改良に使用します。畑の生産性があがれば、収入も得ることができ、子供の栄養状況も改善します。

現在は、数件の家庭にモデルケースとして協力を得て、トイレを設置しているそうです。どのような結果が出ているのか、気になりますね。

この水をまわして暮らしもまわす考え方、実は将来の日本にもつながる話なのです。もっと詳しく知りたい方は、船水さんをゲストにお迎えする三省堂サイエンスカフェへどうぞ。

三省堂サイエンスカフェin札幌 

「水がまわれば暮らしもまわる~開発途上国の貧困をトイレから解決~」

日時:2月28日(土)

場所:三省堂書店 札幌店

定員:30人(※事前申し込みが必要です。こちらからお申し込みください)

参加費:500円(コーヒー代)

主催:三省堂書店札幌店 共催:北海道大学CoSTEP,日本学術会議北海道地区会議

 詳しくはこちら

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2015.02.23

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