理学部8号館にある倉本圭さん(理学研究院 教授)の部屋にお邪魔すると、机の上に「倉本珈琲店」という立派な木彫りの表札が。倉本さんの実家は喫茶店だったのでしょうか? それとも…?
この表札には倉本研の歴史と、学生との交流が隠されていたのです。
【神田あかり・CoSTEP修了生/理学院修士2年】
机の上に置いてあったのは、文字を丁寧に掘り出した手作りの表札です。これは、かつて倉本さんの部屋の一部をお茶スペースとして利用していた頃に作られたもの。学生や教員がお茶を飲みながらリラックスして話ができるようにと、当時の学生だった杉山耕一朗さん(現・宇宙航空研究開発機構 招聘研究員) が作ってくれたそうです。
倉本研が現在の理学部8号館に引っ越してからは、ちゃんと独立した休憩室ができ、倉本さんの部屋は「珈琲店」の看板を下ろしました。しかし、今でもその名残として、コーヒー用の水の配達伝票の宛先は、「倉本珈琲店」になっているのだとか。
(火星の模型をもつ倉本さん。倉本研では惑星を研究しています)
ちなみに、この表札を彫った杉山さんは現在、木星内部で起こっているガスの循環・対流の研究をしており、倉本さんとも木星の大気活動や進化についての共同研究にとりくんでいます。
かつてコーヒー片手に語りあったメンバーによる共同研究。今も倉本研では、コーヒーを飲んで学生たちが一息ついたり、それぞれ研究の話をしたり、という光景がみられるそうです。これからもまだまだ、太陽系惑星の新たな一面に迫る研究が倉本珈琲店から生まれるに違いありません。
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【クローズアップ】#59 影に光る衛星 ~衛星が教えてくれる木星の大気~
(2015年02月19日)
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