300万点以上の標本を収蔵し、その数万点を展示する総合博物館のリニューアルオープンは、北大にとって間違いなく今年のビッグイベントです。26日14時から理学部大講堂で記念式典が開かれました。
まず、中川光弘 総合博物館館長(理学研究院 教授)から挨拶があり、リニューアルのねらいについて説明がなされました。耐震対策のために工事をすることになりましたが、それを機会に、より市民に開かれた博物館、北大の研究・教育力を発信する博物館としてリニューアルすることが計画され、今日1年ぶりの御披露目となったのです。中川館長は「北大の底力をお見せしたい」と力強くお話ししました。
(中川光弘 総合博物館館長(理学研究院 教授)による挨拶。「第二農場、水産科学館からなる総合博物館の中核として、さらに大学文書館、埋蔵文化財調査センター、植物園と連携して、キャンパスミュージアム構想を実現させたい」とさらなる目標を掲げました)
次に、山口佳三総長から挨拶がありました。世界の有力大学は博物館を備え、そこに多くの貴重な収蔵物を備え、学術や市民の多様なニーズに応えています。北大総合博物館も、大学の国際化の中で「世界の課題解決に貢献する北海道大学」というビジョンを実現していくための中核組織である、と位置付けました。
(山口佳三総長)
学外からは、北海道博物館の石森秀三館長がお話をされました。北大総合博物館の展示スペースは2700平米から3800平米に拡充されました。これによって北海道博物館を抜き、北大総合博物館が道内一の博物館になったのです。石森館長からは、北海道におけるリーディング博物館として大きな役割を果たして欲しい、と激励のお言葉を頂きました。
(北海道博物館の石森秀三館長)
小泉格初代館長からは、1999年の開館前から開館初期のお話しを頂きました。その中で、総合博物館が目指したことは、開学以来のリベラルアーツの伝統に基づく「歴史に学び、生き方を考え、人を育てる」ことの充実、道内に点在する研究施設を紹介する窓口、一般博物館では実現できないパイロットミュージアムを目指すことであり、現在もその重要性は薄れていないとお話しがありました。
(小泉格初代館長。1999年の開館から2001年までその任にあたりました)
最後に、総合博物館講師の江田真毅さんから、今回のリニューアルの詳細について説明がありました。
(江田真毅さん(総合博物館 講師))
そしてあらためて総合博物館前でテープカットが行われました。北大の、そして北海道の博物館の新たな歴史の始まりです。