1月5日、年が明けて早速活動を開始したのは「北大アフリカ研究会」です。
アフリカ研究会。サークルではありません。アフリカを拠点として研究活動を行なっている研究者が集まり、学部の垣根を越えてネットワークを構築する目的で設立された共同研究会です。2012年の設立以来、定期的に研究成果の発表会を開催しています。今回はその第17回目。総合地球環境学研究所教授の田中樹さんに、砂漠化対策の新しい試みについてお話しいただきました。
農業活動に起因する砂漠化を防ぐ方法について田中さんは、そこに生きる人々の暮らしをまず尊重する必要がある、と指摘されました。もちろん、民族の個性に価値があるから、でもあるのですが、何よりも、そのほうが効果的に砂漠化を防げるというのです。
(総合地球環境学研究所教授 田中樹さん。研究プロジェクト「砂漠化をめぐる風と人と土」を牽引する。
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そもそも、これまで砂漠化対策が成功しなかったのは、効果があるとされてきたいわゆる「定番技術」が実は必ずしも土地に合っていないことが理由でした。ほんとうに効果的なのは、古くから受け継がれ土地に馴染んだ伝統農法をベースとして、そこに風食や水食を抑えるための新たなアイデアをプラスする方法だといいます。それでこそ、その技術は土地に受け入れられ普及していくのです。今回紹介されたいくつかの成功事例は、人と風土を第一に考えた、とても愛情あふれるものでした。
「狭い視野で研究をすると、砂漠化防止自体が最終目的になってしまいがち。砂漠化をとめたいのは、そこに住む人々や、砂漠化の影響を受ける我々のためであるはず。なぜその研究をしているのか、意義を自分に問いながら進めるべき」という田中さんのお話に、来場者は深くうなずいていました。
(医、自然・人文・社会など、幅広い研究者が関わる。研究発表会は参加自由)
(メンバーには、いいね!Hokudaiに何度かご登場いただいている工学研究院教授 船水尚行さん,保健科学研究院教授 山内太郎さんも。
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