4月20日、函館港弁天岸壁にて海洋研究開発機構(JAMSTEC)の深海調査研究船「かいれい」の北海道大学向け特別公開が実施されました。北海道大学とJAMSTECは2015年より連携協力協定を締結しており、活発な研究交流が行われています。今回は、45名の教職員・学生が参加し、乗組員さんの説明に熱心に耳を傾けていました。
【川本真奈美/菊池優・いいね!Hokudai特派員】
「かいれい」は、無人探査機「かいこう」の母船であり、また、様々な装置を使って海底の地形や地層を調査することができます。測定機器の前では多くの教員たちが質問する姿も見られました。
((マルチチャンネル反射法探査システムのエアガン。船尾から曳航し、圧搾空気を海底に向けて発振する)
(6kmにも及ぶストリーマケーブル。エアガンで生じ、海底で反射した音をケーブル内の多数の受信機で捉える。
そのデータから海底地形を知ることができる)
(無人探査機「かいこう」を乗せる移動台車。今回「かいこう」は乗せていない)
(青い構造物は「かいこう」を吊り下げる着水揚収装置。下の黄色い装置は海底地震計)
(無人探査機「かいこう」のパイロット席)
水産科学院修士1年の小林奈緒さんは、中学生の時からJAMSTECの船にあこがれ、有人潜水調査船「しんかい6500」のシャツを持っているほど。推し船は地球深部探査船「ちきゅう」です。そして海での調査研究をしたくて北大水産学部に入学したそうです。今回、見学してみて「やはり船尾がかっこいいですね。でも改めておしょろ丸のすごさにも気付きました。ここにJAMSTECの船があること自体がすごいと感じています」と興奮していました。
魚類生理学が専門の東藤 孝さん(水産科学研究院 准教授)は「いつも、おしょろ丸に乗っているが、かいれいはより大きくて、深海測定など研究のスケールが違うと感じました。今回、学生にも見てもらえたので、彼らにとっても良い経験になったと思います」と話していました。
(水産科学院の小林さん、田中さんと、水産OBで現JAMSTECの大久保さん。
小林さん、大久保さんに、いいね取材だと伝えると「いつも見ています。親も見ています」と喜んでくれました)
JAMSTECでは多くの北大出身者が活躍しています。水産学部出身で、現在JAMSTECイノベーション・事業推進部 イノベーション推進課の大久保 隆さんは就職して3年目。主な業務は産学連携支援で北海道大学とJAMSTECの連携協定も担当しています。「今回の見学会に多くの後輩達が参加してくれて嬉しかったです。普段おしょろ丸を見ている水産学部の学生達がどのような反応をするか不安でしたが、『すごい』、『わー』という声があがってほっとしました」
翌日の4月21日、22日には一般公開も開催され、延べ4000名以上の方が参加しました。JAMSTECの研究船への憧れから、多くの子どもたちが海の研究者を目指してくれるとよいですね。北大の水産学部も皆さんを待っています!