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【北海道胆振東部地震】その時、おしょろ丸は洋上にいた

徐々にインフラが回復しつつある札幌キャンパスですが、北大の施設は地上だけではありません。洋上のキャンパス、水産学部の附属練習船おしょろ丸は、地震発生時、まさに実習航海の最中でした。乗船していたのは教員5名、学部2年生47名、TA4名の総勢56名。

(水産学部の附属練習船「おしょろ丸V世」)〈いいね!Hokudai 2015年01月23日記事より転載〉

 6日午前3時07分頃、地上と同じく、教職員のスマホに緊急速報が入り、地震発生を知ったそうです。その時おしょろ丸が投錨していた函館山沖には、携帯電話とテレビの電波が入りました。停電がないぶん、むしろ地上にいた我々よりもずっとスムーズに情報を得られていたといいます。

(船が沿岸を離れている場合は、国際条約「SOLAS(ソーラス)」(海上における人命の安全のための国際条約: International Convention for the Safety of Life at Sea)で定められた「NAVTEX」という無線装置で情報を受信できる。写真は、2017年7月28日、ミサイル発射を知らせるJ-アラート発令時のもの)

 地震発生の報を受けてすぐに、船を動かす準備に入りました。洋上では、津波に最も警戒しなくてはならないためです。が、すぐにテレビでその心配がないことがわかり、地上の水産学部船舶係と教務課と連絡を取り合って、その場に待機することを決定しました。

(おしょろ丸の航跡。地震発生時、画面左下に投錨していた。少し船を進めた軌跡があるのは、実習の一環として航行したときのもの。スマホアプリ「FindShip」より)

学生の自宅や実家等と連絡をとらせ、各人の縁者の被災の有無を確かめました。幸い被害に遭った学生はいなかったことと、洋上では船に直接の危険が及ばないこと、そして陸上交通の乱れが報じられていたことから、すぐに着岸せずにそのまま函館港沖で午前中の実習を行ない、当初の予定通り、6日午後には無事に帰港したそうです。

(船内各フロアには、通常の作業時に着用するライフジャケットとヘルメットのほか、緊急時(火災、浸水、救助、および退船)の部署配置と、必要な物品と行動を示した掲示板がある) 
(ドアに貼ってある緑の蓄光シールは、この部屋の中にライフジャケットとイマーションスーツ(寒い海で救助を待たねばならないときに着用するスーツ)が6着ずつあることを意味する。これらの掲示は、SOLAS条約で義務付けられている)

この情報を提供してくださったおしょろ丸の次席一等航海士、星直樹さん(水産学部助教)は、2011年の東日本大震災発生時にも船上にいました。まさに出港直前、岸から応援団に見送られている最中でした。東北沖での地震発生と津波注意報をいち早くキャッチした船上から、岸壁の学生達にマイクで「逃げろ!」と叫び、船は津波を避けるために実習海域を日本海へ変更して、出港したそうです。

おしょろ丸は学生を乗せて航海をする練習船です。安全に航海するために、教職員は常に臨機応変に重要な決定を下さなければなりません。今日からまた、学生を乗せて海へ出ます。今回も、無事の航海を祈ります。

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2018.09.11

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