氷上のチェスとも呼ばれるカーリングは、20キロのストーンを約40メートル先のハウスと呼ばれる標的に向かって投げる体力、狙った場所にストーンを正確に止める技術力、そして相手の次の一手を先読みし高度な駆け引きをおこなう知力が求められる、チームスポーツです。1998年の長野冬季オリンピックで正式種目に採用され、2006年のトリノ五輪では、日本の女子チームが7位入賞を果たし、カーリングの知名度が一気に高まりました。
今回のサイエンス・カフェ札幌のゲスト、山下雅人さん(北海道大学 大学院情報科学研究科 教授)の研究室が開発した、カーリングAI「じりつくん」は、このカーリングの戦略を大きく変える可能性を秘めています。100万以上の局面を学習したAI(人工知能)は、評価関数を用いて最も得点の可能性が高い最善手を導きだします。人間が考えつかない「次の一手」を、AIを用いれば見つけることができるようになるかもしれません。
さらに、今回のカフェではもう一人のゲストとして、冬季オリンピック三大会にカーリング選手として出場した小笠原歩さんをお招きしています。2006年トリノ五輪のカーリングの試合では、最後にストーンを投げる役目であるスキップとして活躍し、日本の入賞の原動力となりました。現在は、その経験を活かし、若手選手の育成に力を注いでいます。小笠原さんからは、トリノで行われた各試合のストーンの配置をもとに、その時の戦略についてお話ししていただきます。
最前線のAI研究者とオリンピアンの夢の対談。AIの立てた戦略を、選手はどのように評価するのでしょうか。ご興味ある方はぜひ、サイエンス・カフェ札幌に足をお運びください。
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ラストストーンの軌跡 ~カーリングAIと選手の協力で勝利をつかめ!~
【ゲスト】山本雅人さん(北海道大学 大学院情報科学研究科 教授)
小笠原歩さん(オリンピアン)
【聞き手】村井貴(北海道大学 CoSTEP 特任助教)
【日 時】2019年2月11日(月・祝)14:30~16:00(開場 14:00)
【場 所】紀伊國屋書店 札幌本店 1F インナーガーデン
【参加費】無料
【定 員】80名(申し込み不要)
【主 催】 北海道大学 CoSTEP
【特別協力】 No Maps実行委員会
【WEB】http://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/costep/contents/article/1910/
◎ あたたかい服装でご来場ください。