農場の手前に広がる雑木林は、すっかり冬の装いです。しかし眼をこらすと、この季節でも様々な興味深い植物に出会うことができます。写真はオオウバユリ。殻が弾けて、中の種子はすでに飛び散ってしまっています。思わず目を引く、特徴のある形状ですね。オオウバユリは、アイヌの人たちが根からデンプンをとるために大事にしてきた植物の1つです。 その実は、エゾシカの格好のエサにもなっているようです。
地下茎の鱗茎に良質のデンプンが含まれ、アイヌの人たちはその鱗茎をドロドロにしてからとれた一番きめの細かい一番粉を腹痛や便秘の薬として利用し、二番粉は通常の食料用に、さらに濾したものは保存食として利用してきたそうです。今回も坂東英雄さん(北大薬学部卒・北海道薬科大学名誉教授)に教えていただきました。