サークル会館や陸上競技場がある札幌キャンパス内の北西エリア。ちょうど試合中だった野球部の声援を背に、野球場とスポーツトレーニングセンターの間の林に歩を進めると、エアーライフル射撃場が現れます。
さきほどまで聞こえていた声援も聞こえない静かな射撃場に入ると、ライフル射撃部の須藤光太さん(理学部3年生)と清水花梨さん(文学部2年生)がにこやかに出迎えてくれました。
ライフル射撃部には現在50名程度が所属しており、札幌キャンパスの射撃場や、宮の沢屋内競技場にある射撃場で練習をしています。しかし新型コロナウイルスの影響により、宮の沢屋内競技場は本日から一般開放が休止となりました。また週に1回行っている定例ミーティングは現在オンラインで実施しているとのことです。
お父さんがライフル射撃をやっていたため、本競技に興味を持ったという須藤さん。「ライフル射撃の面白いところは、運動神経に左右されないメンタルスポーツであるという点です。」とその魅力を語ってくれました。
実際に清水さんにエアーライフルを撃ってもらいました。10メートル先にある10センチ四方の標的を狙います。標的の中心部はわずか5ミリ。「身体を固定し、止まった状態で撃つのがとても大事なのですが、これが難しいです。姿勢も重要なのですが、初心者はなかなかこの姿勢を作ることも難しいです。」と清水さん。呼吸が乱れると、鼓動も乱れます。身体にライフルを近づけるため、鼓動の振動もライフルに直に伝わるそうです。
クレー射撃の競技人口が10万人に対し、ライフル射撃はわずか7,500人。道内の大学でライフル射撃部があるのは北大以外だと北海学園大学と北海道科学大学の2校しかありません。
「ライフル射撃は、体の大きさはあまり関係が無いため男女差が少なく、女性でも始めやすい競技です。オリンピック種目でもあるため、最近メディアでも取り上げられる機会が増えています。ぜひ今後、ライフル射撃人口が増えたら良いなと思っています。」と須藤さんは語ります。
標的を狙う冷静さと、ライフル射撃にかける熱意をお二人からとても感じました。
さて、東京オリンピックの射撃競技は明後日7月24日(土)から始まります。世界中から集まった射撃手たちによる静かに熱い戦いがきっと繰り広げられることでしょう。
【江澤海・CoSTEP本科生/社会人】