科学を専攻していない人々のために開催される「Sci-tech talk」。4月26日の第12回は、中央図書館メディアコートを会場として、サラ・サイモンさん(マックマスター大学/東京大学)による「Astronomy in ancient Egypt(古代エジプトの天文学)」と題したトークが繰り広げられました。
古代エジプトにおける天文学の中でも、サラさんは特に「星」に注目しています。導きものとしての役割を始めとした星の意味を、北斗七星の様々な解釈を例にあげながら、豊富な図像資料をもとに説明しました。また、古代エジプトのカレンダーを示し、現代の私たちと違う見方で時を数えながら過ごしていた、当時の人々の思想についてお話されました。
好奇心が喚起されるトークに、70名近い来場者は、古代エジプト人と自分たちが星でつながっているような不思議な感覚を覚えると同時に、同じものを見ていても解釈の違いで世界観が変わることの驚きを感じているようでした。トークの後も、会場とサラさんによる活発な質疑応答が続きました。
「Sci-tech talk」は年4回開催。次回も楽しみです。
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サラさんと北大理学研究院のエリザベス・タスカーさんの共著による記事を、以下で読むことができます。
Sサイモンズ・Eタスカー
冥界のナビゲーター 棺に描かれた天体運行表
日経サイエンス2016年2月号特集:古代エジプトの社会と科学: pp50-57, 2016
http://www.nikkei-science.com/201602_050.html
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サラさんらの研究グループによる古代エジプト天文学データベースをみると、さらに興味深くなります。https://aea.physics.mcmaster.ca