ある日の午後、札幌キャンパスの職員さんにお願いして、特別に高等教育推進機構の屋上の写真を撮影しにいくと…2mほどの大きな八木・宇田アンテナを備えた機械が設置されているのを見つけました。
聞くところによると、人工衛星からの電波を受信するための基地局なのだそうです。設置したのは科学技術コミュニケーションの活動を行っている、北海道大学CoSTEPの受講生たち。なんでも、10月に開催される札幌クリエイティブコンベンション「No Maps2019」(メイン会期:2019年10月16日~20日)に出展する子ども向けのサイエンスワークショップで使うのだとか。
ワークショップのテーマは人工衛星とスペースデブリ。9月3日、欧州宇宙機関(ESA)はESAの地球観測衛星とイーロン・マスク率いるスペースX社の通信衛星が衝突する危険性があったため、緊急回避を行ったと発表しました。現在、スペースX社では1万基以上の衛星を飛ばす計画を進めています。人工衛星で人間の暮らしは便利になる反面、地球の周辺は無数の衛星によって過密状態が続いています。もしESAとスペースX社の衛星が衝突していたら、その破片はスペースデブリとなり、他の衛星の脅威となっていたことでしょう。
CoSTEPの受講生たちは企画づくりの一環で、JAXA筑波宇宙センターに足を運んで、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の管制室を見学したり、講談社を訪ねて、小山宙哉さんのマンガ「宇宙兄弟」の編集者にインタビューを行ったりしました。さて、人工衛星とスペースデブリを切り口に、どのようなサイエンスワークショップを作り上げるのでしょうか。No Maps2019最終日にあたる10月20日(日)に、チ・カ・ホの北2条広場の超巨大デジタルサイネージ前で開催します。