修士論文は、どんな内容ですか
論文の題名は「気候を資源とした北海道の可能性と地域活性化」です。健康科学がご専門で、ヘルスツーリズムにも取組んでいらっしゃる、教育学研究院の大塚吉則先生に指導していただいています。
北海道では、季節によって、あるいは地域によって、変化に富んた気候が現われます。北海道の気候のそうした特性を、観光や農業などにもっと活かせないか、それが論文のテーマです。
たとえば6月頃の観光ツアーなら、「梅雨のない北海道」を謳って洞爺湖や室蘭へ招くより、留萌やサロベツへ招くほうが、晴天率が高く北海道を満喫してもらえます。
また、北海道は夏に涼しく、冬も、たとえば十勝地方なら日照時間が長く、温泉もあるので、ビニールハウス内を30度にすることも比較的簡単です。こうした地域の特性を活かせば、「季節逆転栽培」をすることもできます。
本も出していらっしゃる菅井さんなので、スラスラ書けるのでは
本を書くのとは、ずいぶん違います。本の場合は、読者の方にわかりやすく、ということを第一に考えますが、論文では、結論に至るまでの論理をきちんと組立てることが大切ですね。A4の用紙で40~50枚ですから、分量としては、薄い本1冊ほどですけど。
文章を書くのは、得意ではないですが、楽しいです。古文などがわからなくて中学ごろから理系をめざし、大学では数学科を卒業した私ですけど。
論文を提出した後、1月の20日過ぎに、先生方の前で口頭発表します。20分間ですけど、先生方からの厳しい質問に、持ちこたえられるか心配です。
(愛用のMac。携帯用にはMacのノートパソコン、家ではWindowsも使うそうです)
いつ、論文を書くのですか
普段は、朝10時に放送局に入ります。天気に関係した話題で原稿を書き、何回かの企画会議を経て、夕方に出演となります。こうした仕事の合間を縫って、少しでも時間があればパソコンに向かっています。
仕事から帰ったら、行儀が悪いんですけど、夕御飯をつまみながらパソコンで書き始め、ふと気がついたら10時半ごろかな。お風呂に入って、また書き始めて、もう眠い!というところまで書きます。
今は、夜にテレビも見ないですね。ドラマなど好きなんですけど。出演した「U型テレビ」は翌朝に早送りで見ます。ニュースも、朝に流し見します。
大学院で学ぼうと思ったきっかけは
NHKでの仕事が6年で一区切りついて、次に何をしようかと思ったとき、ずっとお天気の仕事をすることはないだろうと思ったんですね。でも北海道で働きたい、北海道で私に何ができるだろう、そう思ったとき、北海道のことをもっと知ろうと考えたんです。
北海道に来てから8年ほどですが、その間、北海道について書かれた本をずっと買い集めていました。自宅に、ずらーっと並んでいます。論文を書くときの資料として、とても役に立っています。
そして私の場合、勉強と仕事がけっこう重なっていて、講義の中から仕事のアイデアをもらったり、講義のあと先生に取材させてもらうこともありました。
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「きょうは10時半からゼミなんです」という菅井さん、取材を終えると急いで教室へ。正午にゼミが終わると、12時15分から放送局で「U型テレビ」の打合せだそうです。仕事に学業に精力的に走り回る菅井さんに、脱帽です。