2020年も今日と明日で終わりです。今年は新型コロナウイルス感染症、COVID-19に振り回される1年でした。その名前に含まれている「19」は、最初の症例報告があった2019年12月8日にちなんでいます。しかし、その後の様々な研究から、それ以前にすでに感染が広がっていた可能性も指摘されています。
12月10日には別の気になるニュースがありました。北大のシンボルマークにも使われているオオバナノエンレイソウTrillium camschatcenseが、国際自然保護連合によって新たに絶滅危惧種II類(絶滅の危険が増大している種)に指定されたのです1)。札幌キャンパスでは毎年ゴールデンウィークにその花をみることができますが、国内では秋田県と岩手県で絶滅の危険性が高まっています2)。
何事も変化は徐々に起きるものですが、私たちが初めてそれを知るのは、変化が積み重なり、大きくなったときです。その意味で、年の区切りは絶え間なく流れる時間の中で振り返りをする、良い機会なのかもしれません。
本日で「いいね!Hokudai」も仕事納めとなります。「いいね!Hokudai」は今年、新型コロナウイルス感染症に関する情報発信を試みてきましたが、必ずしも充分ではありませんでした。来年も新型コロナ研究や対策について発信をすると同時に、キャンパスの変わらない日常もお伝えしていきたいと思います。
参考文献:
1) 野生生物調査協会・環境保全事務所 2020: 「オオバナノエンレイソウ」『日本のレッドデータ』(2020年12月30日閲覧).
2) IUCN 2020: “Kamchatka Trillium” The IUCN Red List of Threatened Species. (2020年12月30日閲覧).