きびしい寒波の訪れとともに幕を開けた2021年。寒さにふるえる中、今年の初仕事にとりかかった方も多かったでしょう。北大恵迪寮の寮歌「都ぞ弥生」の三番の歌詞にもそんな様子が描かれています。
明治四十五年寮歌 都ぞ弥生(作歌 横山 芳介 君 /作曲 赤木 顕二 君)
三.
寒月懸れる針葉樹林
橇の音凍りて物皆寒く
野もせに乱るる清白の雪
沈黙の暁霏々として舞ふ
ああその朔風飊々として
荒ぶる吹雪の逆巻くを見よ
ああその蒼空梢聯ねて
樹氷咲く 壮麗の地をここに見よ
二回登場する「見よ」という言葉。一方は、身を刺すような自然の猛威を「見よ」とうたい、他方は、その自然のきびしさの中に潜む偉大な美しさを「見よ」とうたっているように私には読めます。自分たちの力ではそのすべてをコントロールできない自然に対する二種類の感性を同時に研ぎ澄ますことを「都ぞ弥生」三番の歌詞は要求しているのではないでしょうか。
この「都ぞ弥生」の歌詞を載せた恵迪寮カレンダーを恵迪寮同窓会の方々からいただきました! 1月の写真は雪をかぶりながらも堂々と前を向くクラーク博士の石像です。上の歌詞にもぴったりの画ですね。私もさっそく2021年の開始とともに部屋に飾りました。「荒ぶる吹雪」の中にも「樹氷咲く 壮麗の地」を見んとする眼差しをもって2021年を過ごしていきたいです。