本日の3月18日から4日間、北大の札幌キャンパス苗畑にある「アノオンシツ」では、展示「山々と(さんさんと)」が開催されています。アノオンシツの裏にあった、札幌研究林と北海道大学キャンパスをつなぐアノハシを2021年に撤去した時に伐採した木材を使って、北海道の山をイメージした展示をつくりました。展示を作ったのは、鹿追を拠点に木彫りの作品をつくる高野夕輝さんと、北海道大学 CoSTEP 特任講師の朴炫貞さんです。
高野さんは北大で伐採されたイチョウ、アカナラ、ハルニレ、イタヤカエデを使って、北海道の山をイメージしながら作品を制作しました。木一本一本がもつ表情がよく見えるようになって、かつ木々が集まってつくる山を木一本で表現できていることが、印象に残ります。鏡に置かれた山々は、アノオンシツの天井模様と合間って、水に浮いているようにも見えて不思議な感覚を起こします。
朴の作品は、夏の苫小牧研究林と冬の天塩研究林で見てきた山の様子を、60秒間ずつ眺める映像作品です。映像作品を光として、高野さんの山作品や空間に「燦々と」降り注ぎます。ミサイルが発射されて分離されるまでの時間と言われる60秒間、共生する自然の姿を見つめることで、戦争の時代を生きる今、ちょうど良い線引きについて考えてほしいと作者は言います。
今回の展示ではコンクリートでできた周りのテーブルに座って、アノオンシツ空間を楽しめるようになっています。展示は4日間と短い会期で開催されます。13時から19時までオープンしますので、天気によって、時間帯によって、時事刻々変化する姿が楽しめます。山を眺めること、日差しを感じることは、春を待つ一つの方法かもしれません。
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