本日(2023年4月6日)、令和5年度の入学式が札幌コンベンションセンターにて行なわれました。
令和5年度の北大の新入生は2,546名。昨年度と同じく、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策として、午前と午後の2回に分けて入学式が行われました。本年度は、新入生1名につき1名限りでご家族等が入場できることとなり、共に入学を祝いました。
寳金清博総長からの告辞では、「北海道大学の現在」という観点から歴史・未来、直面する危機3つのトピックが挙げられました。
中でも、北大が2026年に150周年を迎えることにふれ、前身である札幌農学校からその理念を150年間脈々と受け継いでいること、この理念のもと、北大は研究を社会実装することで世界と地域の課題解決、SDGsの達成により社会貢献することを目標としていると述べました。その上で、クラーク博士自身が「Boys, be ambitious, like this old man!」という言葉を体現し、生涯挑戦を続けたことに触れながら、日本そして世界の研究を推進していく存在として学んで欲しいと新入生の皆さんを激励しました。
続いて、新入生を代表して宣誓が行われました。代表の横山佳奈さんは、課題に誠実に向き合うためには、学問の力が不可欠であり、日本や世界の平和へ貢献するために、無知を知り学問に取り組んでいきたいと述べました。
本年度は、北大交響楽団と北大合唱団による「都ぞ弥生」の演奏と歌唱、北大応援団による校歌「永遠の幸」が披露され、新入生の入学を祝いました。
また、「北海道大学からのダイバーシティ&インクルージョンメッセージ」と題して、矢野理香さん(保健科学研究院 教授)がお話ししました。
矢野さんは、北大では2021年に「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を行ったことを踏まえ、新渡戸稲造が男女問わず誰もが学べることを遠友夜学校で設立した歴史的背景、ダイバーシティ&インクルージョン(以下、DEI)のそれぞれの概念である多様性、公平性、包摂についてお話ししました。またDEIの大切さについて矢野さんは、ご専門の看護学での臨床体験から新入生に語りかけました。ある末期がんのシスターをケアをしていた時、矢野さんは窓からの眺めがよい部屋に移動してもらうことを考えていたそうです。しかし、シスターはその申し出を断り、「窓から遠くに見える木を見て、今日も生きていられたということを実感するのだ」と矢野さんに話したといいます。同じ窓からの風景一つをとっても同じではないということを矢野さんは実感し、DEIにおいても他者の立場に立ってみることが重要で、共に補い合っていくことが大切と述べました。
入学式終了後、新入生の皆さんに、大学生生活にどのようなことを期待するか伺いました。
山本桃加さん「コロナ禍で行事ができないなど、思い描いていた高校生活でなかった場面もありました。しかし、たくさんの友人と出会え、周りの方の協力で楽しく思い出深い高校生活を送ることができました。北大は国際的な交流の場であると思っています。海外にも興味があるので国際交流をしていきたいです」
薬学部に入学した岸晃佑さんは、「クラブ活動や薬学の中でも有機化学をやりたいと思っています。頑張っていきたいです。入学式の中でDEIのお話を聞いて、色々な人の意見を受け入れる心を持ちたいと思いました」とコメント。共に入学式に参加されたお母様は「DEIのお話に、私自身も感動するところがありました」と語っていました。
道外から入学した3人に、共同で暮らす寮での生活の感想を伺ってみました。
田中晃生さん(写真左)「共同での生活に抵抗はなかったです。毎日楽しんでいます」
星野響一朗さん(中央)「寮での生活は一人の時間は少ないけれど、一人暮らしで寂しいと思うことがなくていいです」
三橋郁さん(写真右)「毎日がとても刺激的。びっくりすることも起こりますが楽しく過ごしています」
同郷の友人同士の里天晴さん(写真左)と南部美千瑠さん(写真中央)。南部さんと富澤佳音さん(写真右)はガイダンスで出会い3人一緒に入学式に参加したそうです。北海道でしかできないこと、冬の生活など勉強と共に楽しんでいきたいと語りました。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。大学での新生活が充実したものになりますように。
北大とSDGs、「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」について紹介しているこちらの記事もご覧ください。