独特な屋根の角度、年を重ねた木や金属の表情… この建物、北大の札幌キャンパスにある場所です。みなさんどこか、わかりますか?
この建物は、北方生物圏フィールド科学センターの車庫です。保育園のともにや文章館、農学部の周辺にあり、車庫の隣にはまた大きな農学部の農場用の車庫があります。老朽化のため、現在現在撤去工事を行なっています。
公用車を停める車庫、中に入ってみると、広々とした内部が見えます。コンクリートの壁や、配線のみ残っていることから、相当昔から使われていたことが分かります。この車庫は、1956年に建てられたと言われています。
シャッターで開け閉めでき、車庫として使っていた場所から右に進むと、奥には和室空間が出ます。今は当分使われてないので入るのには勇気が要ります。この奥の和室は、昔管理者が暮らしていたと言われています。外からもその気配があまり見えないことと、大学に寮以外で、人が住んでいたことも今となっては驚きます。
2021年10月には、野田佐官店の野田肇介さんをゲストに迎えて、水の流れる溝を周りのどんぐり、小枝などを用いた佐官ワークショップを行ったこともありました。67年の年月を残したくて、車庫のさまざまな場所にカメラを向けました。
時代やニーズに合わせて壊れる建物もあれば、新しく建てられる建物もある、札幌キャンパス。大学の思いは、このように常に変化しています。その変化の中で、建物の記憶を積み重ねることが、歴史を描いていくことになるでしょう。
この車庫を利用したみなさんの中では、また興味を持っていたみなさんには、車庫は良い思い出としてこれからも残ると思います。もう付くことのない車庫の灯りが、少し寂しく感じられました。