初夏の余市果樹園は、旬を迎えたハスカップや木苺、さくらんぼが宝石のように、光を浴びて輝いています。なぜ昔話で楽園を描く時に、豊かな果実があるように設定したかが、よく分かるような光景でした。
一方で、ブドウや梨、リンゴはこれからが大切な時期です。まだまだ成長しようとする姿が、なんだか愛おしく感じられます。
その中、リンゴの木の周辺には、たくさんのリンゴが落ちていました。これは、リンゴの摘果作業の証です。花を中心に4~5個のリンゴが生る中で、成長を助けて味や栄養を高めるために1個のリンゴの周りに、葉っぱが40~50枚ほどあるバランスで、1個だけのリンゴを残して、他は落とす作業です。落ちたリンゴを食べて見たら、渋さが際立ちます。
落としたリンゴは、草刈りの時に土に戻り、今後のリンゴのために肥料になります。余市果樹園でもリンゴの種類が約30種類あるため、手入れには大変な手間がかかります。おいしいリンゴをつくりあげるのは、日差しや風、土と共に、支える人々の気配りがあることに気づくと、今後より感謝の気持ちを込めていただくようになると思いました。
収穫したリンゴは、毎年恒例の学内の販売会でも販売される予定とのことでした。秋のおいしさのために、夏のエネルギーを濃縮している余市果樹園。暑くて清々しい夏になりそうです。