北大札幌キャンパスの北西にあるサークル会館や陸上競技場を通り過ぎ、さらに北へと向かうと、恵迪寮東側のつたが絡まる木の幹に北大山岳館の看板が。看板の指す方へ向かうとログハウスが現れます。
【福浦友香・北海道大学CoSTEP】
このログハウスは北大山岳館といい、北大山岳部OBで構成される北大山の会が、山岳部創立70周年を記念して1995年に建設、北大に寄贈したものです。学生が集まり活動する場、先輩との交流を深める場としての機能を期待されているほか、山岳部がこれまで収集保存してきた図書や地図、手記などを保管する役割も担っています。
そのため北大山岳館は課外活動施設と位置付けられており、1階の集会室は公認学生団体に限り設備として貸出されています。その他の1階図書室、2階ロビーと常設展示については、北大山の会の山岳館運営委員会メンバーによって毎週水曜日と土曜日の10時から16時の間(年末年始・GW・お盆を除く)、一般に公開されています。
それでは中をのぞいてみましょう。
山岳部ゆかりの品々が置かれている1階ロビーには、農学部出身で山岳部OBでもある画家坂本直行の作品も展示されています。坂本直行は直行(ちょっこう)さんの名で親しまれ、六花亭の花柄の包装紙を描いたことでも有名です。
約5000点の山に関する資料
そして、山に関する図書や資料が保管・閲覧できる図書室です。寄贈された図書資料のほか、山岳部創設以来の活動記録が収集されており、中には創設期の部員が取り寄せた貴重な洋書や海外遠征の資料等もあるとのこと。図書や資料の閲覧に道外からも来館者がやってくるそうです。
受け継がれる山の道具
スキーが展示されている階段を登り2階に上がると、多くの雑誌に目がとまります。
壁に目を向ければ、ピッケルやアイゼンといった山岳部OBから寄贈された山の道具が展示されています。
ピッケル横のキャプションには寄贈者と製作者銘が書かれており、海外から取り寄せたピッケルが使用されていたことや国産道具の登場を知ることができます。
同じく寄贈されたアイゼン。
日常的な管理と運営には山岳館運営委員会によって行われています。貴重な資料を継承していくという気持ちを共有し、大切に利用していきたいですね。
受け継がれている資料は、またの機会にご紹介しましょう。