雪がちらつく北大札幌キャンパス。12月12日(火)から北大総合博物館の北極域研究センター展示室で「小さなちいさな哺乳類 トガリネズミ展ー他の小型哺乳類とくらべてみようー」が行われています。
名前はネズミ、でも実はモグラの仲間、その名もトガリネズミ
トガリネズミは、ネズミと名付けられていますが、実はネズミ仲間ではありません。
モグラの仲間であり、近年のDNAの研究によりネズミよりも家畜に近い仲間であることが示されています。
北海道にいる四種類のトガリネズミ
さて、モグラの仲間であるトガリネズミ。北海道には四種類のトガリネズミが生息していて、大きい順にオオアシトガリネズミ、エゾトガリネズミ、ヒメトガリネズミ、チビトガリネズミ(トウキョウトガリネズミ)がいます。
今回で7回目となるトガリネズミ展。展示を企画し、研究を続けて30年の大舘智志さん(北海道大学低温科学研究所生物環境部門助教)にお話を伺いました。
トガリネズミは、北海道のどこにでもおり、それぞれが、土の中、地表、草の上といった場所で生息しています。
展示では、標本類のほか北海道産の生きたトガリネズミを見ることができます。普段はケースの蓋を閉めた状態で展示されていますが、取材のため特別に開けてもらいました。それでは、そっとのぞいてみましょう。
北海道産のトガリネズミの中でも一番大きいオオアシトガリネズミは全長90-150mm程度、体重6-19g程度。ミミズや昆虫などを食べ、土に潜ります。そのため手が大きく、爪が長い特徴を持っています。
オオアシトガリネズミの動画はこちら
北海道に生息する4種類の中でも二番目に小さいヒメトガリネズミは、全長約100mm、体重約4.5gで昆虫やクモなどを食べ地表で生活しています。
ヒメトガリネズミの動画はこちら
隠れていることが多いのでその姿をみることはなかなか困難。静かにじっと待つ必要があります。大舘さんによると昼ごろ学生ボランティアによって行われる世話の時間には姿を見ることができる確率が高いそう。
トガリネズミたちのストレスにならぬようそっと静かに観察する必要があります。今回紹介したこれらの二種の他に身体能力の高いエゾトガリネズミと世界最小の哺乳類のチビトガリネズミも展示される予定だそうですよ。
トガリネズミ研究の難しさ
研究対象のトガリネズミはその小ささから捕獲することは難しく、他の研究者との協力が欠かせません。東海大学札幌キャンパス、札幌市円山動物園、野生生物生息域外保全センターとも協力しながら研究を進めている大舘さん。今回はトガリネズミのお世話をする14名の大学院生ボランティアスタッフの協力により展示が行われています。大舘さんは、トガリネズミ研究に携わる人がもっと増えるといいと希望を語ります。
どこにでもいるけれども、日常ではなかなか出会うことのできないトガリネズミたち。
その小ささと生態をご自身でのぞいてみてください
トガリネズミを身近に感じるグッズもミュージアムショップで発売中
北大総合博物館ミュージアムショップぽとろでは、缶バッチやポストカードなどトガリネズミの関連グッズが販売されています。
開催情報
会期:2023年12月12日(火)~12月24日(日)・月曜日は休館日のためお休み
時間:10:00~17:00
会場:北大総合博物館 1階 北極域研究センター展示室
入場料:無料
X(旧Twitter):北大トガリネズミ展2023(開催中)@bokutogari
- トガリネズミについてさらに詳しく知りたい方は、トガリネズミ展公開セミナー
(https://www.museum.hokudai.ac.jp/display/special/19732/)が
2023年12月24日(日)13:30-~5:00に開催されます。 - 「わたしのトガリネズミ研究ー30年を振り返って」
大舘智志(北大低温研) - 「北海道産トガリネズミ類の繁殖と成長・音声の研究」(仮題)
河合久仁子さん(東海大生物学部)
定員:50名、先着順・参加無料
会場:北海道大学総合博物館1階「知の交流」
申し込み:不要
※日程・受付方法などは変更する可能性もありますので北大総合博物館HP、FBをご確認ください。