本学総合博物館のダイナソー小林こと小林快次教授命名によるカムイサウルスはつとに有名だが、我がFSCにも1頭、いや1台のザウルスがいる。フェラーバンチャーザウルスロボと言われる高性能林業機械の一種がそれだ。
生息地は北3林と称される天塩・中川・雨龍研究林だ。森の中を無限軌道の足回りで縦横無尽に走り回る。アームの先端には深い雪を掘り起こすバケット、狙った獲物(木)をしっかり挟み込んで固定する強靱な顎のようなグラップル。そして巨大な剪定バサミのようなの鋭い歯(刃)で、噛み切るがごとく獲物を仕留める。仕留められた獲物は何本かごとに集められ積み上げられる。
そこへ登場するのがザウルスではないがプロセッサーと呼ばれる、なかなかの動きを見せる憎いヤツだ。集められた木を1本掴むと、まるで突起の付いた舌でねぶるように枝をこそぎ落としていく。そして次々と設定した長さに切断していく姿は解体屋と言っても良いだろう。
満を持して登場するのは、フォワーダーと呼ばれる集材専用機械だ。長さを揃えられ丸太となった木材を、集荷トラックが出入りできる場所まで集め積み上げる。他の2台に比べ若干地味だが動きの速さは随一だ。
この3台の高性能林業機械を操縦する3人の職員で、今までの半分の人員で倍近い作業をこなすことが出来るスーパー戦隊になったのだ。まあスーパー戦隊ものは5人組なので、トリプルファイターと言うべきか(良い子のおじさんしか分かるまい)。そんなザウルスまで使いこなす、まるで猛獣使いのようなFSCとはField Science Center for Northern Biosphere, Hokkaido University、北方生物圏フィールド科学センターの略称である。
【林忠⼀・北⽅⽣物圏フィールド科学センター/いいね!Hokudai特派員】