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『沈黙のパレード』痛ましい事故[物語の中の北大No.25]

湯川が話しだした。「昔、北海道の研究施設で痛ましい事故が起きた。低温実験室の機械が故障して、室温が上がり始めたんだ。研究者たちは急いで室温を下げようとして●●●●を大量に床に撒いた。余程あわててたんだろうな、部屋の換気を忘れていた。結果、彼等は窒息死した」
「そんなことがあったのか」草薙は全く知らない話だった。

東野圭吾『沈黙のパレード』初出単行本2018(文藝春秋2021, p308)
※「●」は「いいね!Hokudai」による伏字


フィクションではしばしば現実の出来事、あるいは現実を参考にした出来事が引用されます。第25回「物語の中の北大」でお伝えする『沈黙のパレード』の一節は、事故の状況や原因から、1992年8月10日に北海道大学工学部で2名が亡くなった事故を指していると思われます。

『沈黙のパレード』は、「ガリレオ」とあだ名される物理学者、湯川学が主人公の人気推理小説シリーズの一作です。湯川は東京にある帝都大学に所属しており、初期の作品では理工学部 物理学科の助教授(准教授)でしたが、本作では金属材料研究所 磁気物理学研究部門の教授になっています。一連のシリーズで北海道大学は出てきません。

本作の詳細と引用の文脈を書いてしまうと、推理小説のマナーに反しますので避けておきます。引用も本来は一字一句変えてはいけませんが、一部を伏字と致しました。何卒ご了承ください。

なお、工学部では事故があった毎年8月10日を「工学部安全の日」として、12時15分には工学部長からのメッセージを全館放送で流しています。今年は10日が土曜日のため、前日の9日に放送が予定されています。痛ましい事故を繰り返さないためには、まず知ることから始める必要があるでしょう。今日の記事がその一助になれば幸いです。

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2024.08.09

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