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津軽海峡の上で授業!? 練習船「おしょろ丸」を使った北大の名物授業に迫る(2)

前編では北大水産学部の附属練習船「おしょろ丸」を利用した一般教育演習「海のフィールドで試す」を取り上げ、イカや海洋環境に焦点を当て、授業をご紹介しました。

この後編では、まだまだ続く「おしょろ丸」の乗船実習について、特に「船」を学ぶ実習を中心にご紹介します。

釣りをする方やよくフェリーで移動される方は前編の内容に親しみを感じたかもしれません。しかし、この実習ではここでしか経験ができない船の学びがまだたくさん待っています。さっそく見ていきましょう。

船を動かす現場へ

ここは船橋(ブリッジ)です。船橋は「おしょろ丸」の最上階にあり、航海士が操船する場所です。ここでは航海士の指導のもと、すべての学生がハンドルを握り、操船を体験することができます。模擬体験ではありませんよ。本当に船が受講生の舵の切る方向に向きを変えます。学生たちもすっかり航海士にみえるほどなりきっています。

操船を体験する学生たち。

船橋では双眼鏡を使った観察も行いました。今はGPSなどの技術が発達していますが、万が一、これらの機器に不具合があった際にも、航海士は灯台の明かりや方位、船から見える地形を手がかりに、船の位置を正確に把握できます。さまざまな機器が発達してきた現代ですが、人の目による確認も重要です。

船橋では双眼鏡を使った観察も行いました。
目で海をみる

甲板に出ると、船の上から海を望むことできます。学生たちから人気の高かった実習に「目視調査」があります。目視調査では双眼鏡を手に、甲板から海鳥などの観察を行います。

甲板から海や函館を望む。

残念ながら、この日は海鳥の数こそ多くはなかったのですが、学生からはこんな声も聞こえました。

「自由に外の風を浴びて、いい感じの波に揺られるのが楽しかった。」

「青空の下で函館山や青森が見えたのが良かった。」

この日は天気にも恵まれ、船上で気持ちよく観察ができました。遠くには函館山も見えました。

さらに、学生の中には
「小学校低学年ころに、漁師さんや船乗りになりたいと思っていた夢を今、思い出しました。」といった、昔の頃の夢を思い出して、教えてくれた学生もいました。

船上から目視調査を行う学生たち

またこの実習では船の裏側、機関室も見に行きます。普段は絶対入れない部屋です。

学生からは「運転するところや機関室を見て、裏で大人たちがこんなふうに働いていてはじめて船が動いているんだ、と普段見れない世界に驚きがあって、新鮮で楽しかった。」なんて声も聞こえてきました。

普段は見ることができない船員の仕事を垣間見ることができたようでした。

普段は入れない船の裏側を見せてもらいました。
最後は船上での学びを発表

ここまで、釣り・音響観測・ブリッジ見学・目視調査など、一般教育演習「海のフィールドで試す」の授業風景をご紹介してきました。

なお、2025年は北大職員向けの研修も実施され、5名の北大職員が学生と同船し、参加しました。今回、紹介しきれなかった実習は、職員の方が研修の様子をお伝えする記事でも公開されます。ぜひ合わせてご覧ください。

 

実習の最後の夜には、この3日間の学びを班ごとに発表します。この授業の目標は単に船や水産科学の知識を得ることではなく、フィールドでグループでの協同体験を通じ、課題解決の自発的学習能力を養成することです。北大には1学年に2600人を超える学生が在籍しています。この実習が初対面だった学生同士が多かったのですが、最終発表の頃にはすっかり、班で協力して準備を進め、見事なチームに仕上がっていました。

今回は学生にとって新鮮な手書き資料を使った発表です。「普段PowerPointでやるのより、手書きで作る方が楽しかった」という声もありました。

各班、発表の準備を進めます。
手書きの発表資料で発表をします。
さっそく、学んだロープワークを使った救助の様子を披露しますが、教員からはいろんな指摘が。

この実習は朝7時から夜は22時~23時まで実習が続きます。最終発表の日も22時まで発表会が続いていました。『いいね!Hokudai』取材班の私は、30分の休憩となれば15分~20分眠る、というくらいくたくたになっていましたが、発表会終了後の講義室に行くと、その日のすべての授業を終えた学生たちが会話に盛り上がっていたり、トランプゲームをしていたりと、やっぱり若い学生は元気ですね。翌日も「元気です」と答えていました。

特に楽しかった実習を聞くと「集魚灯を使った魚釣り」と「目視調査」と答える学生が多くいたように思います。誰に聞いても「楽しかったです。」「貴重な体験でした。」と答えてくれました。

写真を撮りながら学生の皆さんが本当に充実した3泊4日を過ごしたことが伝わってきました。

最後に番外編

練習船の上の食事ってどんな感じでしょうか?

エビフライに麻婆豆腐……食欲をそそるメニューが並びます。この写真は乗船実習初日に撮影したものですが、毎日おいしそうなご飯が並びました。食事中は学生同士、翌日以降の実習に期待を膨らませていました。実習が密な分、栄養補給は重要です。こうした食事の時間を通じて、学生同士が互いにコミュニケーションをとると同時に、教員や先輩のTAとの何気ない会話から海の問題や水産科学の研究の最先端を知る良い時間になっていました。

夕食を楽しむ学生たち。
「おしょろ丸」乗船してみたくなりましたか?

最後は全員で「おしょろ丸」の前で記念撮影を行い、3泊4日の洋上の授業を終えました。

おしょろ丸を背景に集合写真

この記事を読んで、皆さんも「おしょろ丸」に乗船してみたくなったのではないでしょうか。

高校生の皆さんには北大に来たらこんな名物授業がたくさんあります。

どんな学部で入学しても、今回のようにいろんな学部の授業を受けることができます。今回は水産学部が提供する一般教育演習「海のフィールドで試す」をご紹介しましたが、これは北大のごく一部、まだまだ北大にはたくさんの講義が用意されていますよ。

社会人の皆さんは、北大の水産学部に興味を持っても中には入れないし…という方もいらっしゃるでしょうか。

次の記事では水産学部にできた「水産科学未来人材育成館」(通称、すいかみかん)という施設をご紹介します。この施設は一般開放されており、誰でも水産学部の研究や教育を知ることができます。

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2025.11.11

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