「(星は)心を洗われる、癒しです。日々忙しくて疲れていても、星はいつも変わらず綺麗なんです」。少し照れくさそうに他の部員と微笑みを交わしながらコメントをするのは「2016プラネタリウム」企画責任者を務める池田慧さん(農学部応用生命科学科2年)。
天文同好会はさまざまな学部に所属する約60人の部員で構成されています。月1回のゲリラ観測会では夜道を車でひた走り、市街地から遠く離れた無灯の観測地点へ向かいます。星々が煌めく青く暗い空の下、かじかんだ指をさすりながらふたご座流星群や月食など見応えのある天文現象の観測を行います。星に誘われて北海道内各地を転々としつつ、ときには米国アラスカに足を運んでオーロラ観測をする部員も!
天体望遠鏡や赤道儀(日周運動で動く天体の動きに合わせて星を追尾できるようにした天体専用の架台)を駆使して撮影した力作写真の数々を楡陵祭で展示しています。「こういう写真は3、4年生くらいにならないと撮れないんです」と池田さんは誇らしく語ります。1枚1枚の写真が切り取った星空の時間を鑑賞して魅了されるもよし、星の解説や撮影にまつわるエピソードを部員に訊くもよし。楽しみ方は来場者の思うがまま。
受付机の上には販売用小冊子「宇宙への誘(いざな)い」(¥100)がそっと置いてあります。「天体観測や星への興味に対する一助となれる何かを作れないか」という部員たちの想いのもとに作成されたこの一冊は、天体観測の知識に加え、星・地球・銀河・流星群など天文学の内容をも含んだ噛みごたえのある一冊となっています。
一方で、今回の一番のウリはプラネタリウムとのこと。1、2年生が半年以上の時間を費やし、投影ドームや投影機などすべての設計・材料調達・組立を自力で行いました。恒星投影機(恒星球)は5等星まで、約4000個も投影できるほどのものだとか。1公演は30分で、1日18公演。楡陵祭の喧騒からちょっと離れ、星空解説に耳を傾け、静かな満天の星空に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
「2016プラネタリウム」天文同好会
高等教育推進機構 E302 6/2~6/5
【渡邉洋章・CoSTEP本科生/医学部5年】