2025年の北大祭では、2024年に引き続き、北方領土に関する企画「北のフロンティア」が実施されました。「北のフロンティア」は、北方領土のイメージキャラクター・エリカちゃんと北方領土系メイドの水晶えりかさんが中心となって実施している教育企画です。
エリカちゃんとは、北方領土の周辺海域で生息する海鳥エトピリカをモチーフとした女の子で、北方領土問題対策協会のマスコットキャラクターです。普段から北方領土問題についての広報活動をしています。みなさんの中にも、SNS上でエリカちゃんの投稿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
「北のフロンティア」では、北方領土について学べる動画や講演、すごろくや輪投げなどのゲーム、そしてパネル展示などが楽しめる教育企画となっていました。
まず目に入ったのは、北方領土すごろく「ほくろく」です。


「ほくろく」とは、すごろくで遊びながら北方領土について学べるゲームです。
クイズカードを引き、北方領土に関するクイズに答えながら、すごろくのマスを進めていきます。クイズに正解すると、そのカードに書かれている点数分だけコマを前に進めることができます。
クイズは、「やさしい」版と「むずかしい」版の2種類あります。
例えば、「やさしい」版では以下のような地理に関するクイズがあります。
「択捉島、色丹島、歯舞群島のうちで最も大きい島はどれ?」
A 択捉島
B 色丹島
C 歯舞群島
答えは「A 択捉島」です。
一方、「むずかしい」版では歴史に関する専門的な問題も出題されます。
「樺太・千島交換条約の正文(正式な条約文)は何語?」
A ロシア語
B 日本語
C フランス語
答えは「C フランス語」で、大人でも答えられるか怪しい難易度です。
このように難易度を2つに分けることで、子どもから大人まで楽しめるゲームになっています。
なお、この「ほくろく」は以下の内閣府のホームページからダウンロード可能で、ご自宅で楽しく北方領土を学ぶことができます。
https://www8.cao.go.jp/hoppo/henkan/05_2023_seikabutsu.html
北方領土クイズに苦戦していると、隣では家族連れの方が「北方領土輪投げゲーム」で遊んでいました。
この輪投げは、択捉島、国後島、色丹島、歯舞諸島それぞれに棒が立てられており、遠くにある島ほど得点が高くなります。
一番遠くの択捉島が最も点数が高いのですが、輪投げを入れるのはなかなか難しい様子でした。中には、択捉島に入るまで何度も挑戦しているお子さんもいました。
輪投げの点数は集計され、その日の上位3名の名前がホワイトボードに書かれていました。
次に、「北のフロンティア」の運営をしている水晶えりかさんにお話をうかがいました。
水晶さんは小学生のころから北方領土問題に興味をもち、4年ほど前から本格的な活動を始めたそうです。今では、北海道での活動にとどまらず、島根県で出前授業をしたり、東京で北方領土啓発バーイベントを実施したりするなど、全国規模で活動の幅を広げています。
今回の企画「北のフロンティア」でも、北海道庁と連携しながら、クイズやすごろく、輪投げなどのゲームを通じて北方領土問題を分かりやすく伝える工夫をしていました。
北海道庁では、「北方領土サポーター」のメンバーを随時募集しています。「北方領土サポーター」とは、北海道庁の北方領土対策本部北方領土対策課が実施している制度で、北海道内の学生が中心となって、今回の「北のフロンティア」のような啓発活動を日々行っています。
「北方領土サポーター」に興味がある方は、以下のサイトから参加可能です。
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/hrt/supporter.html

インタビューの最後に水晶さんは、
「北方領土の名前を知らない人には、まず北方領土すごろく「ほくろく」やパネルを見て北方領土に興味をもってほしいです。一方で、 すでに北方領土を知っている方には、ぜひ北方領土サポーターになっていただきたいです」と自分の思いを述べました。
エリカちゃんと水晶えりかさんの継続的な活動により、多くの人が北方領土について考えるきっかけになっています。今後もお二人の活動に注目です。
1.内閣府. 北方領土すごろく「ほくろく」
https://www8.cao.go.jp/hoppo/henkan/05_2023_seikabutsu.html (最終閲覧日:2025年7月4日)
2.いいね!Hokudai. 北大祭2024 すごろくで遊びながら北方領土を知る「北のフロンティア」
https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/like_hokudai/article/32143 (最終閲覧日:2025年7月4日)