机、鞄、校舎、自動車、スマートフォン…私たちの身の回りにある、あらゆる人工物は、何らかの「材料」でできています。人類は太古から、木や石、鉄など自然に存在するものを材料に活用してきましたが、科学技術の発展により、元素と元素をかけあわせて新しい物性の材料を作り出す術を手にしました。現在は材料工学と呼ばれる分野となり、北大でもさまざまな研究者が新たな知見を生み出しています。
(金属の結晶構造を模した模型)
2月18日の日曜日、材料工学のスペシャリストが集う工学研究院 材料科学部門の3名をゲストに、サイエンス・カフェが開催されます。スポットを当てる材料は「超合金」。ある元素とある元素を溶かし合わせて作られた新しい金属のことを合金といいます。例えばステンレスは、鉄にニッケルやクロムを加えた合金で、元の鉄より高温にもサビにも強い性質を持ちます。そして合金の中でもより高温に耐えられるもののみが「超合金」の称号を与えられます。3人のゲストは、それぞれ異なるアプローチで、従来のものより、さらに熱にも力にも衝撃にも酸化にも強い、究極の超合金の実現を目指して研究に取り組んでいます。
(第99回サイエンス・カフェ札幌ゲストの1人、三浦誠司さん)
ゲスト1人目の三浦誠司さん(マテリアル設計分野 教授)は、様々な元素の新しい組み合わせから、誰も見たことのない合金を創る方法を研究しています。2人目の大野 宗一さん(マテリアル設計分野 准教授)は、合金のミクロな構造をコンピューター・シミュレーションによって解き明かして新しい合金をつくる研究を行っています。3人目の林 重成さん(エネルギー材料分野 准教授)は、高温の世界において耐熱合金を守るコーティングの研究を行っています。
(周期表に元素サンプルの入った小瓶を並べる大野宗一さんと林重成さん)
材料は、良いものを作ることに寄与するだけではありません。物性を調整することで、エネルギー効率を高めたり、環境負荷を下げたり、さまざまな効果を生み出すことも可能です。今回のサイエンス・カフェでは、3名の研究者から、既存の材料の限界を超えた性能を持つ究極の超合金の持つ可能性について、詳しくお話していただきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第99回サイエンス・カフェ札幌
究極超合金★タービンブレード 〜より硬く、より粘り強く〜
日時: 2018年2月18日(日)
14:30-16:00 開場 14:00
場所: 紀伊國屋書店札幌本店 1階 インナーガーデン
ゲスト:
・三浦 誠司さん
北海道大学 大学院工学研究院 材料科学部門マテリアル設計分野 教授
・林 重成さん
北海道大学 大学院工学研究院 材料科学部門エネルギー材料講座 准教授
・大野 宗一さん
北海道大学大学院工学研究院 材料科学部門マテリアル設計分野 准教授
聞き手:西尾直樹(北海道大学 CoSTEP 特任助教)
定員: 80名・入場無料
主催:北海道大学 CoSTEP costep.open-ed.hokudai.ac.jp
*アツイ服装でお越しください
詳細は【こちら】