私たちが普段から見る天気予報は観測データから初期値を作り出し、それを数値予報モデルに当てはめることで得られます。しかし、天気予報が外れるということがよく起こります。天気予報が外れる、すなわち誤差を持つ理由は主に二つあります。一つは数値予報モデルが地形を完全に再現しきれていないこと、もう一つは大気の性質がそもそも誤差を生み出しやすいことになります。
特に後者の影響は大きく、地形を完全に再現できたとしても、その影響を完全に取り去ることは不可能です。そこで用いられるのが、アンサンブル予報です。アンサンブル予報では、わずかに異なる複数の初期値から複数の予報を行います。
初めのうちはわずかな差でも時間が経つにつれて、どんどんと差が大きくなっていきます。誤差を排除した完璧な予報をするのではなく、誤差を含めた上でどのような現象が起こる可能性が含まれているのか知ることができる、それがアンサンブル予報です。
私の研究では普段よく目にする一週間予報より、さらに長い期間の一ヶ月アンサンブル予報を用いて予測精度がどの程度高いのか、過去に行われた予報と観測データを比較することで探ろうとしています。
たくさんの可能性を秘めた研究、ぜひ動画で御覧ください。
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この映像は、菅原邦泰さん(理学院 修士1年)が、大学院共通授業科目「大学院生のためのセルフプロモーション2」の履修を通して制作したものです。
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気象学研究室(稲津 將 教授)