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スペシャルティコーヒーの魅力を広めたい!~北大珈琲研究会~

【柴垣光希│2025年度CoSTEP受講生】

以前の記事で、北大生がよく利用する北18条駅付近のカフェをご紹介しました。
(過去記事はこちら:北大周辺カフェ巡り ~新入生の通学路 北18条駅編~ – いいね!Hokudai)

たくさんのカフェが軒を連ねるこのエリアに、実は、学生が月に2回ほど間借りして営業しているカフェがあります。運営しているのは「北海道大学珈琲研究会」で、去年の北大祭に出店し、オリジナルの「楡陵祭ブレンド」を提供していました。
(過去記事はこちら:北大祭2025 珈琲研究会 ~「楡陵祭ブレンド」誕生秘話~ – いいね!Hokudai)

それ以来、ずっと訪れてみたかったこちらのお店でしたが、以前のカフェ巡りの日は営業日でなかったため、改めて公式Instagram(Instagram: 北海道大学 珈琲研究会)を確認し、お邪魔しました。

場所は、北18条駅付近にある「UNTAPPED HOSTEL」1階のスペース。
焚き火ストーブで温まる落ち着いた空間の中で、珈琲研究会所属の学生さんが「スペシャルティコーヒー」を提供してくれます。

店内の様子。ドリップの様子を目の前で見ることができます

日本スペシャルティコーヒー協会によると、「スペシャルティコーヒー」は以下のように定義されています。

―――――――――――――――

消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。(中略)カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。(From seed to cup)

(日本スペシャルティコーヒー協会 「スペシャルティコーヒーの定義」より引用 スペシャルティコーヒーの定義 « SCAJについて | 一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会)

―――――――――――――――

 

このお店でのイチオシメニューは、月替わりテーマでの「コーヒー飲み比べ」。
1月のテーマは「コーヒーと発酵」で、2種類の異なる発酵工程を経たコーヒーが楽しめるとのこと。

2種類のコーヒーの説明が書かれたシート

コーヒー豆は「コーヒーチェリー」という赤い実の状態で収穫された後、複数の工程を経て見慣れたコーヒー豆の状態となります。
その工程の違いによって、それぞれのコーヒーに個性が出るそうです。
(コーヒーができるまで|コーヒー大辞典 | 味の素AGF株式会社)

しばらくの間、部員の方から説明を聞いたり雑談したりしていると、2杯の淹れたてコーヒーが運ばれてきました。

シートの上に、それぞれ対応するコーヒーを置いてくれました

実際に飲んでみると、まったく違う味に驚かされました。

一つ目のコーヒーは「Super Natural」という製法で作られた豆を使用したもので、ベリーやワインのようなフルーティで華やかなフレーバーが楽しめました。
もう一つは「DOUBLE FERMENTATION (ROUTE AEROBIC + ANAEROBIC)」という、2種類の発酵工程を含む製法で作られた豆のブレンドで、一般的なコーヒーとは違ってややスパイシーで、どこか山椒を思わせるような、個性的なフレーバーを楽しめます。

筆者にとってかなり新鮮な風味で楽しくなり、思わずおかわりをしてしまいました。
同じコーヒーといっても奥が深いのだと知ることができ、新鮮な体験ができました。

 

どんな想いでこのお店が運営されているのか気になり、珈琲研究会の現代表である柴田 帆乃美さん(北大 文学部2年)と、副代表の岩本 周也さん(北大 工学部3年)にお話を伺いました。

左が副代表の岩本さん、右が代表の柴田さん

「珈琲研究会」について

インタビューを受けていただきありがとうございます。まず、珈琲研究会とはどんなサークルなのでしょうか。

(柴田)私たちは、「スペシャルティコーヒーの存在を大学生に広めたい!」という理念を掲げて活動しています。特に、「コーヒーが苦くて飲めない」という若い世代に、スペシャルティコーヒーの魅力を伝えたいと思っています。

(岩本)最近、若い世代に浅煎りのコーヒーが流行っていて、ワインのようにいろんな個性を楽しむ、みたいな文化があります。浅煎りコーヒーを楽しむ文化が広まれば嬉しいですね。

(柴田)北大祭でもやっぱり、若い人には浅煎りのウケがいいです。私の感覚ですけど、飲みやすいんじゃないかなと思います。

普段はどのような活動をしていますか?

(柴田)毎週金曜の例会と、隔週の間借り営業が大きな活動です。例会では、間借り営業に向けてコーヒーを淹れる練習をしたり、自分たちでも飲み比べてお客さんに説明できるように準備しています。

(岩本)サークルとして活動することで、みんなで豆を持ち寄れるので、費用面でも機会の面でも、多種類のコーヒーに触れやすくなるという利点があると思ってます。
あとは、サークルに入ってきてくれた新入生にコーヒーの知識や淹れ方をレクチャーしたり、色々やってますね。

(柴田)5限が終わった後の6時半から8時半くらいまで、ずっとコーヒーを淹れたり感想を言い合ったり、全然関係ない雑談をしたり(笑)、楽しく活動してます。よく考えると結構長い時間ですけど、いつもあっという間に感じます。

メンバーのコーヒー愛

お二人はどんなきっかけで入会されたのでしょうか。

(柴田)私は去年、北大の高等教育推進機構に張ってあったポスターをたまたま見て、入りました。でも実は、入会したときにはスペシャルティコーヒーのことは全く知らなかったです。コンビニでブラックコーヒーは買う、くらいの愛で入りました(笑)。

(岩本)私は、カフェとか巡るのが好きで、だんだんコーヒー自体が好きになっていって。その中でこのサークルをインスタで見つけて入りました。
他には、北大祭きっかけで入る人が結構多いですね。「普段からちょっとコーヒーを飲む」くらいの人が入って、だんだんスペシャルティコーヒーに興味を持っていく、みたいな流れが多いです。

(柴田)今では旅行先でもカフェ巡りしてますね。観光地に行かずに珈琲屋さんに行ったりしてて、コーヒー好きじゃない友達に「旅行先でどこ行ったの?」と聞かれたときに困ります(笑)。

(岩本)知らない土地に行ったら、そこの珈琲屋さんを探す、というのをよくやってます。気合いが入ると8杯とか飲んじゃったり。各地の地名が、観光地よりもそこにある珈琲屋さんと紐づいてますね。

結構衝撃エピソードです(笑)。皆さんそういう感じなんですか?

(柴田・岩本)人による(笑)。

(柴田)半々くらいですかね。

(岩本)確かに、言われてみると変かも(笑)。

間借り営業について

どんなきっかけで始まったんでしょうか。

(柴田)この会を作った前代表の彦坂さんが、今、間借り営業をしている場所に以前あったお店でアルバイトをしていた繋がりで始まってます。

(岩本)スペシャルティコーヒーを広めたいという想いと、コーヒーが持つ「文化の交流点」みたいな要素を活かして、いろいろな方々と関わろうという想いもあります。
「飲み比べ」メニューを作ったのも、初めての人が入りやすい導線を意識したいという想いからです。

飲み比べの月替わりテーマはどのように決めているのでしょうか?

(柴田)今はメンバーが3グループに分かれて、それぞれのグループで交代でテーマを考えています。

(岩本)プロの珈琲屋さんはクオリティで勝負していると思います。学生団体である僕たちが提供できる価値は何か、を考えたときに、「面白いテーマを設定して飲み比べする」ような珍しい機会を提供することなのかなと考えています。なので、僕たちの知りたいことや比べたいことを出し合ったうえで、お客さんにとってどういうテーマ設定が楽しいか、そのテーマでどんな説明ができるか、を考えたり、それが僕たちの力量でできるテーマなのかも含めて、みんなで話し合ってます。

あとは、もちろん味にもこだわっています。日々練習を繰り返すなかで、「どうやったらもっとおいしくなるか」「このコーヒー豆からどんな味が出せるか」を考え、コーヒーへの理解も徹底的に突き詰めて、こだわりをもって活動しています。その上で、大学生も手が出しやすいように、価格を抑えたラインナップを意識して、豆の買い付け交渉も行っています。

(柴田)スペシャルティコーヒーを知らない人が来てくれた時に「面白かった」と思ってもらえるように、接客にもこだわっています。たとえば、取り扱ったコーヒー以外にも、私のお気に入りの品種をお客さんに伝えています。お客さんが次にスペシャルティコーヒーのお店に行く機会があった時に「あ、これ言ってたやつだ」って思い出してもらえるような、一回で終わらない体験を作りたい、といつも考えてます。

今後挑戦してみたいこと

今後やってみたいことはありますか?

(岩本)もっと興味を持ってくれる人を増やして、部員も増やしていきたいですね。コーヒーに関しては、いろいろやってみたいことはありますが、例えば焙煎にも挑戦してみたいです。以前、大阪で開催された大学生のサークルが集まるコーヒーイベントに出店したとき、焙煎まで自分たちで行っている学生団体もいました。僕たちも焙煎という大事な工程への理解を深めていきたい、という想いがあります。

始めるハードルが高かったりするんでしょうか。

(岩本)そうですね、設備が必要ですし。焙煎をしている学生団体さんはちょっと恵まれていて。「シェアロースト」という焙煎機を借りられる場所があるんですが、札幌には、そういう施設がないんです。鍋などでの焙煎もできることにはできるんですが、サークルとして「こういう焙煎をしたらこういう味になる」といった研究をしたい場合は、ちゃんとデータをとって再現性が取れるようにローストしたいので、そうなると高額な機械が必要になっちゃいます。
特に浅煎りだと、同じ豆でも、焼き方で全然味が変わってくるので、飲み比べを提供する側として、焙煎に関しても理解したいなと思っています。

最後に、北大の新入生やこれから入会するかもしれない人に、一言お願いします。

(柴田)ぜひ、コーヒーの沼へ(笑)。いろんな意味で、始めやすいんじゃないかなと思います。だんだん器具とかにこだわり出すとお金がかかるかもしれないですが、初期投資は他のサークルより少ないと思います。

(岩本)普段コーヒーを飲む人も飲まない人も、気軽に新しいコーヒーの世界を体験してほしいです。特に浅煎りは「こんなコーヒーもあるんだ」というような、新しい世界に入る面白さがあるので、少しでも知ってもらえたら嬉しいです。北大生でも北大生以外でも、コーヒーに興味さえあれば誰でも歓迎です。

インタビューを終えて

こだわりを持ってコーヒーを追求するかっこいい姿勢が印象的なお二人でした。
交流を大切にされているというだけあって、初対面ながら和気あいあいと楽しいインタビューをさせていただきました。筆者も、お二人ほどではないですがコーヒーが好きなので、入会してみたくなりました。

間借りカフェに何度か足を運ぶ中で、札幌在住の社会人の方や、旅行で北海道に来ていた他大学の学生と隣になり、少しお話しする場面もありました。
学外でお店を営業することで、多様な方との交流が生まれるのも素敵なポイントですね。

これからもコーヒーや人との意外な出会いに期待して、定期的に足を運ぼうと思います。

 

参考文献

  1. 北海道大学CoSTEP, 「北大周辺カフェ巡り ~新入生の通学路 北18条駅編~」, いいね!Hokudai, 2026, https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/like_hokudai/article/35609, 2026年1月13日(最終閲覧日: 2026年1月28日)
  2. 北海道大学CoSTEP, 「北大祭2025 珈琲研究会 ~「楡陵祭ブレンド」誕生秘話~」, いいね!Hokudai, 2025, https://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/like_hokudai/article/34500, 2025年6月30日(最終閲覧日: 2026年1月28日)
  3. 北海道大学 珈琲研究会, Instagram, https://www.instagram.com/hu_coffee/,  (最終閲覧日: 2026年1月28日)
  4. 一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会, 「スペシャルティコーヒーの定義」, https://scaj.org/about/specialty-coffee, (最終閲覧日: 2026年1月28日)
  5. 味の素AGF株式会社, 「コーヒーができるまで|コーヒー大辞典」,  https://agf.ajinomoto.co.jp/enjoy/cyclopedia/flow, (最終閲覧日: 2026年1月28日)

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2026.02.18

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