今、この地球上に住んでいる私たちには重力がかかっています。でも、この記事を書いているわたしと、この記事を読んでいるあなたにかかる重力は、きっと微妙に違うはず……。
そう、重力の大きさは、その場所によって違います。
そして、それぞれの場所にかかる重力を測るために、基準となる「重力点」が国土地理院によって定められています。北海道には、4つの基準重力点と10の一等重力点がありますが、実はこの一等重力点のうちの一つが、ここ総合博物館にあるのです。
それは……こんな場所に!
(透明な床の下に重力点が…!)
この一等重力点は床下に埋め込まれています。盤面には「この測量標を移転き損すると測量法により罰せられます」の文字が。周りには重力測定に関する説明パネルも展示されています。
(直径8cmの金属標。これは装置ではなく「ここで測るべし」という印です)
それぞれの場所の重力は、この重力点で測った重力(絶対重力測定)を基準にして、その差を用いて測定されるのです(相対重力測定)。
(実際に使用されていた重力計。測りたい場所まで持ち運べるよう、コンパクトに作られています)
重力を測ることで、地震に伴う断層運動の解明や、地下構造の推定につながるそうです。過去のものだけでなく、現在も研究の第一線で活躍しているものを同時に見ることができるのも、総合博物館の魅力の一つですよね。
この「一等重力点」、気をつけて見ていないと通りすぎてしまいそうになるほど、ひっそりと設置されています。ぜひ、みなさんも見つけてみてください!
(重力点はこの先に……)