小林悠真さん(生命科学院 修士1年)は酵素の阻害剤について研究を行っています。この研究を進めることで、認知症やメタボリックシンドロームの薬が作れるかもしれません。
人類はその長い歴史の中で、薬を使って病気を治す術を発展させてきました。紀元前四千年頃のメソポタミア文明においてもすでにさまざまな植物が薬草として用いられていたそうです。創薬技術が発達した現代では、特定の病気の原因となる分子を特定して、その機能を抑える薬が開発できるようになりました。
アルツハイマー病やメタボリックシンドロームは、現在の医療では完全に治療することが難しい疾患、生活習慣病ですが、いま多くの科学者が、薬によるアプローチを探っています。最新の研究では、「スフィンゴミエリン合成酵素2(SMS2)」と呼ばれる酵素を阻害することでこれら二つの疾患の予防や治療につながるかもしれないことが分かってきました。そこで私は、この「SMS2」を働かなくする阻害剤を、有機合成によって作り出すことを目指し、研究しています。
現代医学の発展には目覚ましいものがあり、以前は治せなかった病気でも、薬によって予防・治療ができるようになってきています。もちろんそれでも治せないものも多く、アルツハイマー病やメタボリックシンドロームの特効薬はまだ見つかっていません。こうした病気が慢性化して長期の闘病が必要になると、本人や家族への精神的・経済的負担が大きな問題となります。
「SMS2」の阻害剤を発展させ、毒性や副作用を抑えていくことで、これら疾患の予防・治療薬を作ることができれば、そのような負担を未然に防ぐことができるでしょう。自分の研究が新薬の開発につながり、多くの人々を救うことができれば素晴らしいと考えています。
たくさんの可能性を秘めた研究、ぜひ動画で御覧ください。
動画を見る→http://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/cs/video/2016self2/kobayashi/
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この映像は、小林悠真さん(生命科学院 修士1年)が、大学院共通授業科目「大学院生のためのセルフプロモーション2」の履修を通して制作したものです。
小林さんの所属研究室はこちら
生命科学専攻
化学生物学研究室(門出健次 教授)