北海道大学総合博物館を更に魅力的なものにしたい、そしてその展示を皆で創り上げたい、そんな想いから山本順司さん(総合博物館・理学院 准教授)がクラウドファンディングに挑戦しています。達成目標は巨大な「6.4mの地球断面図」と「4.6mの地球史カレンダー」を作ること。第一のゴールである「6.4mの地球断面図」(目標金額:80万円)をめでたく達成しましたが、第二のゴール「4.6mの地球史カレンダー」(目標金額:140万円)まではあと一歩。そして、残り時間は後わずか。今回は、そんな山本さんの挑戦を紹介します。
【栗原 利奈・北大農学部3年生・2016年度CoSTEP受講生】
(地球化学者、山本順司さん)
地球化学者、展示室をつくる
マントルから運ばれてきた岩石を化学的に分析することで、地球の成り立ちを明らかにする。そんな地球化学者の山本さんは、同時に北海道大学総合博物館所属の教員でもあります。現在、山本さんが博物館に新設すべく準備に勤しんでいるのが「地球展示室」。その展示室の目玉が「6.4mの地球断面図」と「4.6mの地球史カレンダー」です。
私たちが住むこの地球の半径は約6,400km。その100万分の1が6.4mになります。縦にすると二階建ての建物にも匹敵するこの巨大なパネル上では、日本一高い富士山でさえ3.8mmほどの大きさに。私たちに対して地球がいかに大きいか、頭ではわかっていることでも、改めて感じることができそうです。
山本さんの目標は、この「6.4mの地球断面図」パネルに加えて、「4.6mの地球史カレンダー」も作ること。46億年もの地球の歴史を大きく描き出すことで、地球断面図パネルが示す3次元的な視点だけでなく、時間の流れを加えた4次元的な視点で地球を捉えて欲しい、と山本さんは語ります。「五感を使って地球を感じて欲しい。」実体験を大切にする山本さんならではのアイデアです。
(「地球断面図」と「地球史カレンダー」)
地球化学者、なぜにクラウドファンディング?
今や巷に溢れるクラウドファンディングですが、なかなか達成するのは難しいと聞きます。また、山本さんは「大学でクラウドファンディングするって、何か変じゃない?」と言われることもあるそうです。何故、果敢にもクラウドファンディングに挑戦したのでしょうか。
先日ゲストとして参加したサイエンス・カフェで、若者たちへのメッセージを聞かれ、山本さんはこう答えていました。(イベントの様子はこちらから)
「まわりの人と同じことをしたり、過去の人たちがやってきたことの範囲内で動き続けたりするとリスクは低くなるでしょうが、より楽しくなる可能性も低くなるでしょう。昨日までの自分を越える日々を送ってみませんか。」
新しいことへの挑戦で自らの道を切り開くこと。それは山本さんの自身の経験に基づいた熱い信条でもあります。また、この世界でも類を見ない展示を、博物館を利用する皆で作り上げたい。そんな想いからのクラウドファンディング。山本さんはまさに挑戦の真っ最中です。
(サイエンス・カフェで質問に答える山本さん)
地球化学者、目標達成まであとわずか
クラウドファンディングの期間も残り2日となりました!第二のゴールである「4.6mの地球史カレンダー」まで到達するためには、達成率を175%まで上げなければなりません(現在143%、4月18日時点)。
皆さんも、山本さんと新たな展示作りに挑戦しませんか?そして、途轍もない地球の大きさと、その悠久の歴史を、一緒に体感しましょう!
(地球展示室のイメージ図。今から完成が楽しみです)
支援の詳細はこちらから
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学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」