「みなさん、太陽の光をどれくらい浴びましたか?」、このような質問も田中穂乃佳さん(医学研究科2年)の研究のひとつになります。ここ50年で人の寿命は20年延び、日本は長寿の国となりました。しかし、人の幸せを考えた時、長く生きることだけではなく、日常生活を満足に暮らせることも重要になってきました。そのため、病気を治すことだけではなく、病気になりにくいからだを作ること、つまり、日々健康に生きるための研究が進んでいます。
その中でも、田中さんは特に、骨粗鬆症の予防によいだろうといわれているビタミンDに着目しています。実はビタミンD、骨を強くすることに役立つだけでなく、うつ病を防ぐ可能性もあるのではないかと注目されているのです。ビタミンDは人間が唯一作ることのできるビタミンで、食事、もしくは日光を浴びることで体内に作られます。そのため、地域の人に食事と太陽の光に関するアンケートに回答いただき、身長や体重、血液検査の調査を行って、うつ病とビタミンDの関係について田中さんは研究しています。
現在、医学の発展によって病気と上手に付き合っていくこともできるようになりました。しかし、心の病であるうつ病は、一度かかると治りづらく、長期の療養期間を必要とします。仕事を中断する、自殺につながるなど、社会的な損失も大きく、若い人から高齢までさまざま人がかかる可能性があります。
食事や太陽の光によるビタミンDによって、うつ病がある程度予防できるとなれば、本人や家庭の精神的、経済的負担、ひいては国の財政負担も減る可能性もあり、予防に取り組む意味は大きいでしょう。またこの研究に取り組むことで、協力してくれた方をはじめとして多くの人が健康を維持するための日常生活のひとつの知恵になるかもしれません。
たくさんの可能性を秘めた研究、ぜひ動画で御覧ください。
動画を見る→http://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/cs/video/2017self2/tanaka/
※ ※ ※ ※ ※
この映像は、田中穂乃佳さん(医学研究科 修士2年)が、大学院共通授業科目「大学院生のためのセルフプロモーション2」の履修を通して制作したものです。
田中さんの所属研究室はこちら
社会医学講座
公衆衛生学教室(玉腰暁子 教授)