長かった完全オンライン授業を終え、今週から1年生が受ける授業のうち約4割が対面で開講されるようになりました。初めて正式にキャンパスに通う1年生に、コロナ禍の大学生活の実態を聞きました。
最初に訪れたのは高等教育推進機構です。「教養棟」という名で親しまれるこの建物は、例年約2,500人の1年生が利用する場所です。一方今日は、2時間目が始まる10:30頃でも明らかに人が少ない様子です。
閑散とした教養棟に一人座っていた1年生にお話を伺うことができました。
今日の対面の授業について聞いてみたところ、「教室がわからず、1時間目に出られませんでした」という驚きの返事をもらいました。
1学期のオンライン授業を振り返ってもらうと、「課題のやり方や提出方法がわからず、周りに聞ける人もいなかったので成績が・・・。実験などは先生が行っているのを動画で見てレポートを書くという感じでした」と話していました。
次は教養棟の隣の北部食堂へ。こちらも例年は多くの1年生に使われる施設です。2階では数名の学生が食事や勉強をしていました。友達と勉強していたこちらの1年生もやはりオンライン授業には苦戦したようです。
「やる気も実感も湧きませんでした。高校までパソコンをあまり使わなかったのでやり方がわからず成績も取りにくかったです」
しかし、オンラインはネガティブなことだけではありません。工夫次第で人間関係も十分に築けます。
「Zoom上で、同じクラスの人とクラス会を行い、ブレークアウトセッションを利用して交流を深めました。また、少人数でディスカッションが中心の英語の授業で仲良くなった友人をつてに、部活に入りました」
オンライン授業は、学年に関係なく多くの学生が苦戦している印象でしたが、1年生は大学の授業形態に慣れる機会がなかったからこそ特有の苦労があることがわかりました。しかし、そんな状況でも、オンラインのメリットを生かし、新しい方法で人間関係を構築し前向きに大学生活に適応しようとしている姿は印象的でした。以前のような生活は難しいかもしれませんが、新しい形のキャンパスライフが有意義なものになることを願っています。
取材に協力して頂いた1年生の皆さん、ありがとうございました。
【寺本えりか・CoSTEP本科生/文学部3年】