樹高32m、直径148cmに及ぶアカエゾマツの伐倒が、雨龍研究林で10月28日におこなわれました。この木は、イタオマチプ(アイヌ民族の外洋船)の伝統的造船技術を復活しようとする、一般社団法人アイヌ文化学術研究会への協力の一環として伐倒されました。
これほどの巨木は通常流通する木材としては規格外で、なかなか切る機会はありません。技術職員による万全の準備がなされたのはもちろん、伐倒前日は時々雨が降る中、4時間にわたってカムイノミ(アイヌ民族の神事)がおこなわれ、供物と祈り、アイヌ民族の歌や踊りが捧げられました。伐倒当日は穏やかに晴れ渡り、翌日の搬出日は朝から小雨が降るも作業時にはピタリと止むなど、何かの導きを感じさせられました。
雨龍研究林をはじめ、北方生物圏フィールド科学センターは多くのフィールドを有していますが、その様々なリソースは教育研究のみならず、芸術や文化にも大きく貢献しています。イタオマチプは来春に完成する予定とのことです。
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【林忠⼀・北⽅⽣物圏フィールド科学センター/いいね!Hokudai特派員】