「都ぞ弥生」の誕生100年を記念したドラマ『清き國ぞとあこがれぬ−ウィリアム・S・クラーク博士の魂を謳う−(HBC制作)』1世紀にわたって歌い継がれたこの寮歌の誕生を描く青春ドラマの制作舞台裏を紹介するフォトレポート。今回が最終回です。
脚本は、藤田正一さん(北大OB・北大元副学長)と長沼修さん(札幌ドーム社長・元HBC社長)が書き上げました。撮影を見守る藤田さん。実は第54代応援団長も務めた大先輩です。
クラーク博士が残した言葉「Boys, be ambitious」「Be gentleman」は有名ですが、その精神はあまり知られていません。だから彼が初期の札幌農学校に残した思想をドラマで伝えたいと思いました。『都ぞ弥生』の歌詞にある「人の世の清き国ぞとあこがれぬ」と「貴とき野心の訓へ培ひ 栄え行く我等が寮を誇らずや」という言葉にも、クラーク精神が凝縮されています。貴とき野心とは、私利私欲や名声のようにはかないものではなく、世のため人のために尽くそうとする大志のことです。Gentlemanとは強いものに敢然として立ち向かい、弱者のために正義を主張する紳士のこと。新渡戸稲造が設立した遠友夜学校もその精神の表れです。札幌の貧しい青少年のために、大勢のボランティア学生教師たちが働きました。そういう歴史が『都ぞ弥生』の誕生につながり、このドラマの脚本にも散りばめられています。
小倉君は第100代応援団長を務め『都ぞ弥生』の生誕100年にはぴったりの人物だと思い、私が推薦しました。中西君は、応援演奏団の一人として札幌ドームを訪れていたときに、長沼さんがスカウトしたんです。二人を早川監督に紹介したとき「二人とも応援団、応援は“はったり”が勝負だから二人とも鍛えられている」と伝えました (笑)。
氏平増之さん(北大 OB/第53代応援団長)は「都ぞ弥生の誕生100年を祝いたいと2年前から構想が膨らみました。白浜憲一さん(恵迪寮同窓会代表幹事)が中心となり、 OBが集まって企画をまとめました。個人的には、北海道という大自然が舞台ですから、映画『サウンド・オブ・ミュージック』のように空からの撮影もした かった。けど予算の制約があってあきらめました。でも満足しています。」
放送は5月6日(月・祝)9:55からHBC北海道放送(道内ローカル放送)で。
制作費は約1300万円。「都ぞ弥生」百年記念委員会が寮OBらに寄金を呼びかけている。DVDも発売予定。問い合わせは恵迪寮同窓会事務局(011-530-1186)
〈おわり〉
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