今年の11月、北海道大学函館キャンパスのマリンサイエンス創成研究棟の1階に、練習船の展示コーナーが新設されました。今回はこの展示コーナーの開設に携わった中塚英俊さん(函館キャンパス事務部)にお話をうかがいました。
パネルが多数展示してあります。
展示コーナーにある北大水産学部の附属練習船、おしょろ丸、北星丸、うしお丸のパネルは、2009年に行ったおしょろ丸就航100周年記念事業で展示されたものが中心となっています。初代練習船『忍路丸』が建造されたのは今から約110年前の1909年、水産学部の前身となる札幌農学校水産学科が設立された2年後にあたります。記念事業のパネル展示は、函館市内だけではなく、札幌キャンパスでも実施しました。私はこの記念事業実行委員会のメンバーでした。展示コーナーでは、他にも2014年に行った「おしょろ丸V世」竣工披露式の記念品も見ることができます。
展示室に入ると歌詞が聞こえてきますね。
これは「水産放浪歌」のメロディーです。部屋に入ると、センサーが感知して音楽が流れるしくみになっています。練習船が港を出発する時、水産学部応援団が出港式の見送りで歌うのが「水産放浪歌」と「都ぞ弥生」です。練習船に乗って実習を行った水産学部の学生さんは、皆この歌に思い入れがあるのではないでしょうか。
手に持っているのはどのような展示なのでしょうか。
水産学部図書室にある、練習船に関する資料の配架場所をまとめたものです。練習船についてさらに知りたい人は、図書室の資料も是非調べてみてください。
中塚さんの練習船の思い出を教えてください。
2008年から2011年にかけて4回、おしょろ丸Ⅳ世は北方領土墓参航海を行いました。そのとき、2008年と2009年の2回、墓参団支援のため事務スタッフとして乗船して歯舞群島や色丹島などに行ったことがあります。それから、2009年におしょろ丸で進学説明会を行ったことですね。おしょろ丸Ⅳ世に乗って、函館湾を出て東京湾まで航海をして、横浜港の大桟橋でオープンキャンパス「水産学部進学説明会in横浜」を開催したんですよ。
これまでの練習船の歴史を一覧して振り返ることができる展示ですね。
2022年には、最新の設備を整えた、新しいうしお丸が就航します。北大の練習船の歴史にまた新しい1ページが加わります。