北大祭メインストリート。屋台が賑わう南部エリア横の「人文・社会科学総合教育研究棟」では文系祭が開催されています。取材に伺った「北海道大学公認LGBTQ+サークル虹の集い」(以下「虹の集い」)もそのひとつ。展示が始まる直前、お忙しい時間帯でしたが快く取材に応じてくださいました!
入口を左に道沿いに進むと虹の集い展示スペースに到着します。
いま社会的にも大きなテーマとなっているLGBTQ+(エルジービーティーキュープラス)。セクシュアルマイノリティー(セクマイ)に対する支援が重要な意義を持っています。そのためにはセクマイはどんな人か、どんなことが気になっているかなどを知ることが何より大切です。そうでないとうっかり相手を傷つけてしまうこともあるかもしれないからです。北大の内外問わず、だからこそセクマイに対する理解の輪を広げていく。そんな思いを持って虹の集いは活動をしています。
展示の中では虹の集いのこれまでの活動が写真付きで紹介されていました。たとえば2020年9月には映画『ぼくが性別ゼロに戻るとき』の学内上映会が実施されています。札幌では公開がなかった映画だったからこそ「なんとしても皆に観てもらいたい」との思いからおこなったイベントとなりました。著名人も招いての上映イベント、ちょうどコロナ禍が一時的に収まっていたこともあり無事開催することができました。この映画上映会、「北大課外活動賞」の「北大えるむ賞」「北大ペンハロー賞」をダブル受賞する快挙を成し遂げています。
りんさんにお話を伺ってみました。
「セクマイについて相互理解をすることが大事だと思っています。セクマイはOnly(オンリー)だけどLonely(ロンリー)じゃない。そのメッセージを伝えていきたいです。それに、LGBTQ+じゃない人もアライになることができます。アライとは仲間・支援者を意味する言葉です。LGBTQ+のことをよく理解し支援の思いがある人のことをアライと呼びます。展示に来てLGBTQ+への理解を深めアライになっていただければと思います」
今回の展示会はゆーきさん・みおさんが中心となって進めてきました。いままでの先輩の動画を使っての公開やパンフレット作成などを行い、当日まで進めてきたそうです。展示内容を案内してくださったあっしぃーさんはこう語っていました。
「自分たちは一度、北大祭を経験しているんですが、経験をしていない後輩たちが大変だったと思います。だからこそどうやって運営の場を開くのかといったところが気がかりでした。ですが、後輩たちが頑張ってくれてこうやって開催することができました」
対面での学祭展示は3年ぶりとなりましたが、後輩との協力のもと当日を迎えることができたそうです。展示を観てみると、学生の目線からまとめられた展示が興味深いです。「バイセクシュアルとパンセクシュアルの違いは何?」など学生による等身大の目線からの内容が描かれています。虹の集いがこれまでおこなってきたラジオ番組や映像についても上映されていました。
最後に、北大祭に来てくださっている方へのメッセージをあっしぃーさんに伺ってみました。
「ぜひ存分に楽しんでいってください。虹の集いの展示は出店の中ではまじめ系、となっていますがLGBTQ+ということで行きづらいかもと思わず、ひとりの人間として話をして貰う機会にしていただければと思います。自分たちもマジョリティの話を聞きたいと思いますし」
北大にアライの輪を広げ、LGBTQ+の理解を深めていく。大事なテーマだからこそ展示で気軽に学んでいきたいですね。快く取材に応じてくださった皆さん、ありがとうございます!
【藤本研一・CoSTEP本科生/社会人】