大野池から流れ出る小川の中にピンク色の帯が続いています。よく見るとどうやらイネ科の草の根が水の中に張り出しているようです。ピンク色の根が水の中をなびく様子はきれいですね。水の中でも根腐れしないのはどうしてなんでしょうね。
植物の根が水に浸ると腐ってしまう理由として、水中には酸素が少ないため根が酸素欠乏になること、水田など水を多く含みかつ酸素の少ない土壌では二価鉄イオンや硫化水素や毒性のある物質が生じやすく、それに根が侵されてしまうことが考えられています。
イネは茎葉から根への通気組織がよく発達しており、大気中の酸素が植物体内を通して根へと送られやすいため、根が酸素欠乏になりにくい性質を持っています。また、イネは根から酸素を分泌することや根の周辺を酸化的にする性質を持つことが知られていて、この性質により水田ではイネの根の周辺で有害な二価鉄イオンが酸化されて毒性の小さい酸化鉄を生じ、これが根の表面に被膜を作って毒性物質から根を守る役割を果たすと考えられています1)。
根に赤褐色をした酸化鉄がくっついてピンク色に見えているようです。