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アワビを測って分かること

鹿児島県薩摩川内市にある、甑島(こしきじま)。川内港、または串木野新港から約1時間船に乗って向かう、キビナゴがよく取れる漁業の島です。この島で、北海道大学の高橋勇樹さん(水産科学研究院 助教)と鹿児島大学大学院の奥西将之さん(農水産獣医学域水産学系 水産学部 准教授)の共同研究が行われています。
 
(強い日差しからアワビを守る屋根付きの水槽)
 
日陰の下にある大きな3つの水槽。この水槽の中に、アワビを海洋深層水で養殖する実験が進んでいます。定期的に長さと重さを測って、アワビの成長を調べます。水槽の底に沈められた板の裏にくっついているアワビを丁寧にとり、一匹一匹測っていきます。飼い始めた頃は小さく緑色だった殻には、徐々に茶色い殻が成長によって付加され、広がっていきます。そこから成長のスピードを見ることができるのです。
(板の裏にくっついているアワビを丁寧にとり、一箇所に集める)
 
海洋深層水を使うと、冷たい水温を好むアワビにうれしいと同時に、窒素やリンが多く含まれているのでアワビのエサになる藻が生えやすいこともあります。


(長さと


重さを測る様子)

 

(水槽に流れ続ける海洋深層水)
 
高橋さんらは、これまで魚の養殖をシミュレーションする研究に取り組んできました。餌の量と成長との関係をシミュレーションすることで、 様々な選択肢を可視化することができます。今後は、実験中のアワビをシミュレーションしていくことで、より効果的な養殖につなげようとしています。奥西さんは、餌をやらなくても太陽と海洋深層水だけでアワビが育つ、ほったらかし養殖の可能性について、語りました。
(奥西さん(左)と高橋さん(右))
35°を超える暑い日、測り終わったアワビは冷たい海洋深層水が湧き出る水槽に戻りました。すくすく育つアワビも、コンピューター上で育つアワビのシミュレーションも、楽しみです。今後、甑島はキビナゴの他に、アワビで知られる日がくるかもしれません。
 
(実験水槽の目の前に広がっている海の風景)

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2022.08.12

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